地域で光る小さな会社 フォロー

北海道白老町「ビール+アート」地方創生の独特アプローチ

櫻田弘文・クエストリー代表取締役
白老町のオロオロ山から名付けた黒ビール「オロオロ・ブラック」
白老町のオロオロ山から名付けた黒ビール「オロオロ・ブラック」

 札幌から車で南へ約1時間、雄大な山々と太平洋に囲まれた北海道白老町は、町の約75%が森林の自然豊かな土地だ。だが人口は長らく減少傾向にあり、2025年4月時点で約1.5万人。高齢化率も高く、過疎化が緩やかに進行する町でもある。

 そんな白老町に24年、クラフトビールの醸造所とアートギャラリーが一体となった施設が誕生し、町に新たな人の流れを生み出しつつある。地域活性化にクラフトビールはよく聞く話だが、本格的なアートギャラリー併設となると珍しい。一体、どういういきさつだったのか、仕掛け人の一人である菊地辰徳さんに話を聞いた。

ビールでつながった3人

 菊地さんは地域おこし協力隊として白老町に移住し、廃業した地元の老舗旅館「柏村旅館」をリノベーションして19年、宿泊施設「haku hostel」を開業した。そして館内で北海道産クラフトビールの提供を始めたことが醸造所の開業計画につながり、2人の頼もしい仲間も得ることになる。

 1人は菊地さんの古い友人で、東京で不動産会社を経営する栗原雄平さんだ。若い時から一緒に旅をし、環境問題や地域活性化について語り合ってきた仲だ。栗原さんはたびたび「haku hostel」を訪れており、菊地さんとビールを飲みながら語り合ううち、白老町に醸造所をつくる計画で意気投合し…

この記事は有料記事です。

残り2301文字(全文2854文字)

クエストリー代表取締役

1955年山梨県生まれ。日本大学卒業後、78年に販売促進の企画・制作会社に入社。2001年、クエストリーを設立して独立。中小企業経営者向けの「クエストリー・ブランディングクラブ」を主宰する他、数多くの専門店や飲食店のブランディングを実践的に指導している。