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82歳「デジタル社会にどう対応?」老後ライフと終活

広田龍介・税理士
=Getty Images
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 東京都在住のSさん(82)は、妻(80)と2人暮らし。長男(54)と長女(52)はすでに結婚して独立し、それぞれに2人の子どもがいる。

身近なものまでパスワード

 そんな子どもたちの共通の悩みは、自分の子ども――つまりSさんの孫――がいずれも独身であることだという。

 「いつまで親と一緒に暮らすつもりなのか」と問いただしても、はっきりした理由がなく、話をしてもかみ合わないため、最近ではあえて干渉しないようにしているそうだ。

 それでも、少子高齢化の時代を迎え、「自分をみとってくれる家族がいないのは不安だ」と感じているという。

 Sさん夫妻がかつて子どもたちに言っていたことを、その子どもたちが今、孫たちに対して感じているのだと思うと、どこかほほえましく感じている。

 そのSさんの最近の悩みは、社会で進むデジタル化だ。よくわからないことが何かと増えている。

 家計管理については長年、預金通帳で入出金を確認し、使途をチェックしてきた。しかし、最近「紙の通帳がなくなるらしい」という話を聞いて驚いた。

 銀行で行員に尋ねると「完全に廃止ではないが、コスト削減のためスマートフォンやパソコンでの確認を推奨している」とのことだった。しばらくは併用なのだろうが、将来はわからない。

 そこで心配なのは、パスワードの管理だ。

 マイナンバーカードや運転免許証、スマホなど、身近なものまでパスワードが必要になっている。さらに、生年月日や電話番号等のわかりやすい数字は使わないようにとか、時々変更をした方がよいとか、注文も多い。

 注意されるたびに、それなりに対応してきたが、とても覚えきれない。

 スマホは毎日使うので問題な…

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税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。