<Katherine Bindley/2025年10月9日>
ローズ・クレリさん(29)は大のイヌ好きだ。バイオリニストの彼女は米アラスカ州でそりイヌと一緒に育った。道でイヌを見かけると立ち止まってなでる。イヌへの愛情を1から10で評価するなら、10だろう。
しかしそんなクレリさんでも、カリフォルニア州サンフランシスコは少しイヌに優しすぎるのではないかと考え始めている。アラモスクエア公園で友人とコーヒーを飲んでいた時、イヌにリードの着用が義務付けられているエリアで、リードなしのイヌ5匹が次々と近づいてきた。最後にやってきたゴールデンレトリバーで、クレリさんの我慢は限界に達した。
「私のペイストリー菓子に文字通り飛びかかってきて、口をつけてよだれまみれにした」とクレリさんは語った。イヌの飼い主は一部始終を見ていたが、そのまま歩き去った。
「バージニア州は恋人たちの場所」かもしれないが、サンフランシスコは愛犬家の街だ。広大な緑地があり、どの店のカウンターにもおやつが置かれ、イヌが走り回って波しぶきの中で遊べるビーチもある。しかし、イヌ好き、イヌ嫌い、中立的な人がそろって、サンフランシスコの寛容さを悪用していると彼らが指摘する一部の住民に対抗するため、ぎこちない協力関係を結んでいる。
コーヒーショップのカウンターにイヌが脚を乗せても誰も驚かない。空腹な客が手にしたクロワッサンを、さらにおなかをすかせた黒いラブラドルが盗んでいく。「ターゲット」や「トレーダー・ジョーズ」といった小売店の通路は、訓練をほとんど、あるいは全く覚えていないような「介助動物」であふれている。
ラルフ・ミグダルさん(63)によると、地元住民は愛犬をどこへでも連れて行けると考えるようになりつつある。彼自身は飼い主がイヌを見ているなら構わないという。だがある日、ジムのマットの上で腹筋運動をしていたところ、誰かのイ…
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