井上伸一郎の「コンテンツ業界テレスコープ」 フォロー

急成長するVチューバー市場「ホロライブ」生みの親に聞く

井上伸一郎・作家・プロデューサー
大手VTuber事務所「ホロライブプロダクション」所属タレントによるライブ。2025年3月開催の「hololive 6th fes. Color Rise Harmony」で=カバー社提供
大手VTuber事務所「ホロライブプロダクション」所属タレントによるライブ。2025年3月開催の「hololive 6th fes. Color Rise Harmony」で=カバー社提供

 コンテンツ業界の知られざる成長産業としてVTuber(Vチューバー)ビジネスがある。

 VTuberとは、Virtual YouTuber(バーチャルユーチューバー)の略で、アニメキャラクター風のアバター(仮想人格キャラクター)になりきり、YouTubeなどの動画配信サイトで活動する配信者のことだ。

 注目すべきは、このVTuberは日本が生みだしたフォーマットだという点。ネット上の「発明」は北米などで生まれることが多いが、VTuberは日本オリジナル。これから世界で大きく注目される存在となる可能性が高い。

VTuber事務所運営元に聞く

 VTuber市場大手、カバー株式会社(以下カバー)の決算にも、市場の成長が明確に表れている。同社はVTuberのタレント事務所「ホロライブプロダクション」の運営やコンテンツ制作を手がける会社だ。

 カバーの2025年度第1四半期(4~6月)の売上高は96億2900万円で、前年同期比50.1%増。売上総利益も49億700万円で47.6%増だ。年度売り上げを見ても、20年度が57億2400万円だったのに対し、24年度は434億100万円。約7.6倍の成長率を誇る。

 この急成長について、谷郷元昭最高経営責任者(CEO)に話を聞いた。

 「カバーは16年の設立。もともとはVR(バーチャルリアリティー)ゲームを開発する会社だった。しかし当時はVRゲーム自体が黎明(れいめい)期。普及には障壁が多かった」

 コンテンツ業界で頭角を現すには、市場の黎明期にインパクトを残す存在にならなければいけない…

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作家・プロデューサー

 1959年生まれ。87年、株式会社ザテレビジョン(現KADOKAWA)入社。雑誌編集者、マンガ編集者、アニメ・実写映画のプロデューサーを歴任する。2007年に株式会社角川書店代表取締役社長。19年に株式会社KADOKAWA代表取締役副社長に就任。現在は25年開学のZEN大学客員教授およびコンテンツ産業史アーカイブ研究センター副所長。合同会社ENJYU代表社員。新著に「メディアミックスの悪魔 井上伸一郎のおたく文化史」(星海社新書、2025年3月18日発売)。インスタグラム@inoueenjyu/YouTube番組「アニジャ:I love ANime JApan」を配信中