ロボット先進国を誇った日本だが、人型ロボットでは米中のAI技術が先行している。日本の課題やAIロボットの市場展望などを尾形哲也・早稲田大学基幹理工学部教授/AIロボット協会理事長に聞いた。(聞き手=中西拓司・週刊エコノミスト編集部)
――日本のロボット技術の現状は?
◆ホンダの二足歩行ロボット「アシモ」(2000年発表)は機械系の制御技術の結晶で、当時は誰もまねできなかった。しかし市場開拓できなかったため下火になった。
――AI(人工知能)ロボとはどう違う?
◆アシモは人間が一つ一つの行動を事前にプログラム化して動かしていた。一方、10年代半ば以降、AIが自ら学習して行動するディープラーニング(深層学習)や強化学習技術が進んだ。課題を設定すれば、AIロボットは自分で判断して最適に動くことが可能になった。さらに画像や音声など複数の情報を統合して処理するマルチモーダルAIの進化で、より人間に近い複雑な動きができるようになった。アシモは超スペシャリストによる技術だったが、今のAIロボットは普通の大学院生でも試行できる。
産業用とのすみ分けできる
――日本が追いつくことはできる?
◆中国のロボットは驚くほど安く、日本が同じものを作ったとしても価格は相当高くなるだろう。中国の技術はデータ収集の面でも他国を圧倒している。シミュレーション用のロボットを大量に動員し、膨大な時間をかけてロボットにさまざまな行動を体験させてデータを入手しているためだ。こうしたデータの物量作戦に各国は太刀打ちできていない。中国メーカーの人型ロボットを分解し…
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