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日本経済「消費中心の需要拡大」が長期停滞脱却のカギに

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 日本経済が長期停滞から抜け出せない理由として、潜在成長率の低さが挙げられることが多い。潜在成長率は概念的には日本経済の供給力を表す指標だが、実際には現実の成長率に大きく左右される。筆者は日本の長期停滞は供給力の低下よりむしろ需要不足が長期化した影響が大きいと考えている。

 日本の実質国内総生産(GDP)成長率の長期推移を需要項目別に見ると、家計消費と設備投資の伸び率低下が顕著だ。特に家計消費の伸びは、1970年代は5.3%(年平均・以下同)、80年代3.7%、90年代1.7%、2000年代0.8%、10年代0.4%、20年以降マイナス0.1%――と低下傾向に歯止めがかからない(図1)。

 消費低迷の長期化は、消費の原資となる可処分所得の伸び悩みが主因で、その背景には国全体の所得が家計に十分に回っていないことがある。家計の可処分所得分配率は23年度に66.8%となり、過去最低を更新した。一方、政府可処分所得の分配率は新型コロナの影響を受けた20年度を除き、税収増を主因として近年は上昇傾向が続いており、23年度には90年代初頭のピークに近い水準に達した(図2)。

 家計の平均消費性向は長期にわたって上昇傾向が続いている。20年度には新型コロナの影響で急速に落ち込んだが、その後は再び上昇し、足元では90…

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