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北海道電力の泊原発再稼働で「電気料金11%値下げ」本当か?

川口雅浩・経済プレミア編集部
北海道電力が再稼働を目指す泊原発。手前が3号機=北海道泊村で2025年4月30日、本社機「希望」から西夏生撮影
北海道電力が再稼働を目指す泊原発。手前が3号機=北海道泊村で2025年4月30日、本社機「希望」から西夏生撮影

泊原発の再稼働どうなる(上)

 北海道電力は泊原発3号機(北海道泊村)が再稼働すると、道内の家庭向け電気料金が月額約1000円(約11%)安くなると説明している。再稼働すれば「電気料金が平均的なモデルで現在の月額9335円から再稼働後は8300円程度と、年間1万2000円程度の値下げになる」という。本当なのか、北電に聞いてみた。

 泊原発3号機は原子力規制委員会の安全審査に合格し、北海道の鈴木直道知事が2025年11月28日の道議会定例会で「原発の活用は当面取り得る現実的な選択だ」と容認する考えを示した。鈴木知事は12月中にも正式に同意する見通しで、北電は「27年早期」の再稼働を目指している。

 再稼働に向け、北電は「電気料金の値下げ見通し」を発表した。一般家庭向けの規制料金は平均的なモデル試算で月額約11%、自由料金全体では平均約7%の値下げになるという。

27年度に電力販売が2割増える?

 この値下げは「一定の前提」が条件となる。北電の小売販売電力量は24年度の227億キロワット時から27年度には270億キロワット時と約19%増えることになっている。為替レートは1ドル=145円程度、物価は毎年2.0%上昇し、長期金利も2.0%となることを前提にしている。

 これらの前提で泊原発3号機が再稼働すると、火力発電の燃料費の減少などで年間約600億円のコスト削減効果があるという。北電は再稼働に向け、津波対策の防潮堤の建設などを進めている。これらの安全対策費や再稼働後は定期検査などの費用がかかるが、燃料費の削減効果が上回るという。

 さらにインフレに伴う物価や長期金利の上昇で、修繕費や諸経費が年間約300億円増えるが、「経営効率化のさらなる深掘り」で年間約200億円のコストを削減。「600億円マイナス300億円プラス200億円」で、結果的に年間約500億円のコストを削減し、電気料金値下げの原資にするという。

国の認可法人の需要想定は?

 このように電気料金の値下げは、北電が道内で27年度に270億キロワット時の電力を販売することを前提にしている。前述のように24年度比で約19%増える計算だ。

 これに対して…

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経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。