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超富裕層が巨額投じる「究極のぜいたく」

ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
増大する富を駆使し、一般的な生活の不便さに煩わされることのないようプライベート空間に大金を惜しまない=SCOTT MCINTYRE FOR WSJ
増大する富を駆使し、一般的な生活の不便さに煩わされることのないようプライベート空間に大金を惜しまない=SCOTT MCINTYRE FOR WSJ

<ARIAN CAMPO-FLORES /2025年11月30日>

 不動産開発業者のマスード・ショジェイ氏と妻のステファニー氏は最近外食した際、米フロリダ州マイアミビーチのレストラン「MILA」の会員専用エリアに向かった。2人はすぐにテーブルに案内され、そこにはお気に入りのカクテルと名前が刻まれた箸が既に用意されていた。

 10月のドバイへの出張では、夫妻はボンバルディア社のグローバル・ジェット機を降りた後、待機していた高級車メルセデス・マイバッハに乗り込み、豪華なホテルに到着した。ロビーを通らず専用入口から入り、エレベーターでロイヤルスイートへ直行した。そこでスタッフがチェックイン手続きを行い、執事を紹介した。

 「私にとって、今の時代のぜいたくとは時間の節約と効率性、そしてサービスで定義される」。住宅・商業不動産の開発を手がけるショーマ・グループで最高経営責任者(CEO)を務めるマスード氏(65)はこう語った。

 超富裕層は増大する富を駆使し、一般的な生活の不便さに煩わされることなく、特別な空間をスムーズに移動している。彼らは列に並ばない。空港の人混みにもまれることも、交通渋滞で無駄に時間を費やすこともない。

 代わりに、高級レストランやクラブ、リゾート、その他のサービス提供業者のエコシステムが、カスタマイズされた上質な体験を可能な限り迅速に提供している。超富裕層が過ごす空間は多くの場合プライベートで、慎重に厳選されており、同じような考えを持つ同様に裕福な仲間たちで構成されている。

 超富裕層の購買力 は急上昇している。セントルイス連銀によると、米国の上位0.1%の世帯が保有する純資産は、今年4-6月期に23兆3000億ドル(約3650兆円)に達した。10年前は10兆7000億ドルだった。一方で、下位50%の世帯が保有する純資産は、同期間に9000億ドルから4兆2000億ドルに増…

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