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AI銘柄が「クオリティー株」の地位失った理由

ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
インベスコのクオリティーETFは昨年12月にマイクロソフトを除外したが、iシェアーズのETFは引き続き保有している=Chona Kasinger for WSJ
インベスコのクオリティーETFは昨年12月にマイクロソフトを除外したが、iシェアーズのETFは引き続き保有している=Chona Kasinger for WSJ

<JAMES MACKINTOSH/2025年12月08日>

 人工知能(AI)を扱う米国の大企業は、株式市場で最も優良な銘柄という地位を手放しつつあるのか。この疑問は「クオリティー(質の高い)」企業を巡る議論の中心にあり、そのために人気の高い2本の上場投資信託(ETF)のパフォーマンスに大きな差が生じている。一方が エヌビディア 株と巨大テック株の大半を投資対象から外したためだ。

 運用資産480億ドル(約7兆4500億円)の「iシェアーズMSCI米国クオリティー・ファクターETF(ティッカー:QUAL)」と、同150億ドルの「インベスコS&P500クオリティーETF(同SPHQ)」は、投資業界が「クオリティー」企業と呼ぶ銘柄に特化している。これらのETFは、高収益性や低レバレッジなどの財務指標で安全かつ安定しているとされる企業のみに投資する。

 両ETFがクオリティーの尺度として使用するベンチマークには決定的な違いがあり、そのため一方は主要なAI関連株へのエクスポージャーがはるかに大きい状況となっている。QUALはMSCI米国株指数をベースにクオリティーを定義しており、巨大テックの主要8銘柄のうち5銘柄が、保有資産の約3分の1を占めている。これに対してSPHQはS&P500クオリティー指数をベースとし、巨大テックで保有するのは アップル 1銘柄のみだ。

 その結果、パフォーマンスが激しく変動している。インベスコがエヌビディア株を投資対象から除いた今年6月まで、SPHQはQUALを過去最大の差で上回っていた(6カ月ベースのパフォーマンスで比較)。だが直近6カ月にそれが逆転し、QUALに過去最大の差をつけられている(QUALが2013年に設定された直後の時期を除く)。

 これは、クオリティーが何を意味するかというETF間の言葉の議論をはるかに超えた、市場のずっと重大な問題の核心に迫る…

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