<Katherine Bindley/2025年12月10日>
【サンフランシスコ】2車線のトンネル内で、2台の白いジャガーがスピードを出したまま同時に車線変更を繰り返す。そんな映画のワンシーンを思わせる光景だった。映画と違うのは、その2台が極めて慎重な運転で知られる自動運転車ウェイモだったことだ。
「あのトンネルで車線変更をするような人は見たことがなかった」。9月にその2台のウェイモ車の後ろを走っていたスタートアップの創業者、ソフィア・イェンさんはそう話した。「タクシーのドライバー、強引なニューヨークのタクシーのドライバーのようだった」
サンフランシスコの道路での訓練期間も、最終的に乗客を運ぶようになってからも、米アルファベット傘下ウェイモの自動運転車は道路上で最も礼儀正しいドライバーだった。ウェイモと同じタイミングで一時停止の標識で停車すると、ウェイモは「お先にどうぞ」と言わんばかりに待っていた。左折する別の車を追い越そうとしていれば、ウェイモは必ず割り込ませてくれた。要するに、ウェイモは、急いでいるときには後ろにつきたくないタイプのドライバーだった。
今や補助輪は外れた。これまでルールを守っていたナイスガイが付け込まれることにうんざりしたかのように、ウェイモは自分たちのニーズを優先するようになっている。交通ルールを曲げ、歩行者に対していら立ちを見せ、街中で運転するときは礼儀正しく運転しても割に合わない――つまり、自分のことは自分で守るしかないという考えを受け入れつつある。
カリフォルニア州サンブルーノの警察は9月、ウェイモ車による違法なUターンを目撃し停車させた。11月にはサンフランシスコのミッション地区で有名なネコがウェイモにはねられ死んだ。同市パシフィックハイツでは最近のある木曜日、複数車線の全方向一時停止の交差点で、ウェイモが順番を譲りたくないとばかりに隣の車と…
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