金(ゴールド)はかつて機関投資家にとって代替資産にすぎなかったが、現在は中核資産へと評価が一変し、個人も地金商に列をなす。
金相場が1トロイオンス=4000ドル超と歴史的な高騰局面に突入するなか、世界の投資家が口にし始めた言葉が「ディベースメント・トレード(Debasement Trade=通貨価値切り下げ取引)」だ。米ドルや円といった法定通貨に対する不信感が広がり、貴金属や暗号資産ビットコインなどに巨額の資金が流入した。高止まりし続けるインフレ、公的債務の膨張、そして世界の分断加速などを受けて、法定通貨に対する信頼感が急速に低下している。その受け皿として、発行体がなく、供給制約のある金に、世界中の投資家が逃避を始めている。
これらのテーマは、金市場においては過去何十年にもわたって議論され続けており、何ら目新しいものではない。しかし、今年に入って金市場で発生した大きな変化は、従来だと金投資とは無縁だった中央銀行、機関投資家、個人投資家までもが金を保有しなければポートフォリオを防衛できないとの危機感を強め始めたことだ。「FOMO(Fear of Missing Out=取り残される恐怖)」から、日本を含め各国の地金商に金を求める行列ができ、売り切れが報告されたのは象徴的だ。
2026年の金相場…
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