<BEN GLICKMAN AND OYIN ADEDOYIN/2025年12月12日>
米テネシー州フランクリン在住の数学教師ブライアン・ハーンさん(51)は、10年にわたり貯蓄の大半をテック株につぎ込んだ。今年、人工知能(AI)を巡る熱狂を追い風に、市場が過去最高値を更新する中で、それらを全て売り払った。
何年もの間、投資資産の約80%をテック株が占めていた。上場投資信託(ETF)や個別の半導体銘柄などだが、10月、その売却で得た資金の大半を金(ゴールド)に移した。市場が大幅下落に見舞われた際、金は安全な避難先になるとの見方が多い。
「私にとって株価上昇が続くと想定するのはリスクが大きすぎた」とハーンさんは語る。
米国の個人投資家はこれまで、自社の未来をAIに賭けるテック企業の株を熱心に買い入れ、主要株価指数が急騰するのに一役買ってきた。だがオープンAIの「チャットGPT」が世界中でAI関連の熱狂を引き起こしてから3年がたち、一部の投資家はバブルの真っただ中ではないかとの懸念を抱いている。
テック株中心のナスダック総合指数は11月上旬、ドナルド・トランプ大統領が4月に発表した相互関税が市場を動揺させて以降、最大の週間下落率を記録した。その背景にはAIへの過剰投資に対する警戒感がある。一方、投資家が引き揚げを選択する場合、さらなる上昇の機会を逃す覚悟が必要だ。主要株価指数はその後、大幅調整が近いとの懸念がくすぶる中でも、過去最高値付近まで戻している。
著名投資家の動きが警戒感に拍車をかけている。2008年の金融危機前に住宅市場を「空売り」したことで知られる投資家マイケル・バーリ氏は、11月初め、パランティア・テクノロジーズ株とエヌビディア株に対する大幅な弱気ポジションを公開した。両社の株価が下落すれば、利益を得られるものだ。
懸念しているのはプロだけではない。
平均的な投…
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