<SAM SCHECHNER, BERBER JIN AND KEACH HAGEY /2025年12月11日>
米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は12月上旬、グーグルからの脅威の高まりに対抗するため 「コードレッド(非常事態)」を宣言 した際に、ある注目すべき事柄を修正リストの最上位に掲げた。
それは、動画生成AI「Sora(ソラ)」のようなサイドプロジェクトを8週間停止し、AIブームの火付け役となった人気チャットボット「チャットGPT」の改善に注力すべきというものだった。
アルトマン氏はそうすることで戦略的に大きな軌道修正を行った形となり、社内全体の哲学的な対立、すなわち一般消費者からの人気と偉大な研究のどちらを追求するかという議論で、一方の側に立つこととなった。
オープンAIは汎用(はんよう)人工知能(AGI)の追求を目的として設立された。AGIは広義には、ほぼ全てのタスクで人間を上回る思考ができることとされる。しかし、同社が生き残るためには、その探求を一時停止し、人々が望むものを提供する必要があるかもしれないと、アルトマン氏はほのめかしていた。
この動きが注目されたのは、アルトマン氏のリーダーシップに対する批判の一つが、オープンAIに達成可能なことに限界を設けたがらない同氏の姿勢だったからだ。
そして、アルトマン氏が従業員に、「ユーザーシグナルのより良い活用」を通じてチャットGPTを強化するよう指示したことは示唆的だった。
この指示によりアルトマン氏は、賛否の分かれるトレーニングデータソース――チャットGPTの応答に対する専門家の評価ではなく、ユーザーによるワンクリックのフィードバックに基づくシグナルなど――に重きを置くよう求めていた。社内的にこうしたユーザーフィードバック重視に切り替えた結果、今年に入り、「GPT-4o」の応答が過度に迎合的…
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