投資用アパート・マンションをめぐるスルガ銀行の不正融資問題で12月15日、大きな動きがあった。多額の借金を背負う購入者側の「被害弁護団」共同団長の河合弘之、山口広両弁護士が、同行の加藤広亮社長と共同で記者会見し、握手を交わしたのだ。購入者の“救済”をめぐって両者の間には大きなミゾがあり、東京地裁での民事調停が長期化していたが、背景にはどんな事情があったのか。
銀行が「解決金121億円」
記者会見で両者連名で公表した「共同声明」によると、地裁から調停勧告が出され、同行と弁護団は勧告に沿って紛争の最終解決を図ることを表明した。両者によると、具体的には調停の対象となった605物件のうち194物件は不正に関与した可能性があるとして、同行が1物件平均6232万円、総額121億円の解決金を支払う。別の1件は不正関与があったとして解決金を支払う。
残る410物件は、金利引き下げなどによる返済プランを同行が個別に提示し、話し合いでの策定を目指す。河合、山口、加藤の3氏が加わる「特別対応チーム」を設け、購入者に寄り添った形でプランをとりまとめる。加藤氏は会見で「給料の差し押さえや自宅の強制売却といった追い詰める取り立てはしない」と表明した。
「物件収支の枠内で返済」の約束
実は購入者側にとって、調停勧告に盛り込まれた「解決金支払い」は“バラ色の中身”ではなかった。むしろ受け入れが難しいものだった。なぜなら、対象となる194物件のうち、解決金と物件売却代金で借金完済を見込めるのは3割程度の約50物件にとどまる。残る約140物件は、解決金と売却代金では借金の一部しか相殺できず、数千万円から1億円を超える規模の借金が残る見込みだからだ。
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