スルガ銀行 不正の構図 フォロー

アパマン不正問題「スルガ銀が大幅譲歩」見え隠れする金融庁

今沢真・客員編集委員
衆院第1議員会館の大会議室で開かれた「スルガ銀行不正融資・調停結果報告会」には国会議員、議員秘書合わせて約90人が集まった=東京都千代田区で2025年12月15日午後6時、今沢真撮影
衆院第1議員会館の大会議室で開かれた「スルガ銀行不正融資・調停結果報告会」には国会議員、議員秘書合わせて約90人が集まった=東京都千代田区で2025年12月15日午後6時、今沢真撮影

 投資用アパート・マンションをめぐるスルガ銀行の不正融資問題で12月15日、多額の借金を背負う購入者側の「被害弁護団」と同行の加藤広亮社長が横並びで記者会見し、共同声明を出した。突然の動きの舞台裏に何があったのか。弁護団の河合弘之・共同団長は「1週間前に加藤氏から親書をもらった。びっくりした」と会見で明らかにした。東京地裁への民事調停申し立てから3年10カ月。銀行が弁護団に歩み寄った裏側に、超党派国会議員の働きかけで尻に火が付いた金融庁が透けて見える。

トップ4人が2日前に極秘会談

 共同会見では、加藤氏がまず口を開いた。「最初にアパマン問題の『被害者』の皆様に深くおわび申し上げる。長期間にわたりご心配、ご心労をおかけしました」と頭を下げた。銀行は購入者を「債務者」と呼び、この1年間借金取り立ての圧力を強めてきた。その姿勢を転換し、不正融資で被害を与えた「被害者」に位置づけを変えたことを印象づけた。

 一方の河合氏は「今回、スルガ銀行から大幅な譲歩、大幅な誠意の開陳をいただいた」と発言した。そして加藤氏の親書で「覚悟を持ってアプローチしてきたと理解した」と述べた。横に座った山口広・共同団長も「大きなチャンスと思った」と言葉を添えた。

 親書には解決に向けた加藤氏の考え、銀行側が歩み寄る返済支援策が書かれていたとみられる。そのうえで1週間後の15日に会見を開き、弁護団トップの同席を求めた模様だ。その日は調停の期日で、地裁の調停勧告を最終的に受け入れるかどうか双方が表明する手はずだった。

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客員編集委員

 1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀・財研キャップ、副部長を経て論説委員(財政担当)。15年経済プレミア編集長。24年6月退職し、客員編集委員。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」「日産、神戸製鋼は何を間違えたのか」など。16~18年度城西大非常勤講師。