今年の猛暑を体験し、「地球温暖化はもう後戻りできないのでは?」と不安に思った人は多いかもしれない。
10年前の2015年、フランスのパリで開かれた「国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)」では、参加国が「世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ1.5度以内に抑える」との目標を掲げるパリ協定に合意した。
しかし、10年後の今年11月、ブラジルのベレンで開かれたCOP30では、1.5度超えは避けられない前提となった。各国が宣言する温室効果ガスの削減目標を足し合わせても、「1.5度目標」の実現にはまったく届かないのだ。
それでも希望はある。世界で新設される電源の主流が、今や太陽光、風力などの再生可能エネルギーとなったからだ。特に23年、24年の増加は著しい。
米科学論文誌「サイエンス」が年末恒例の「今年のブレークスルー」のトップに「止まらない再生可能エネルギーの成長」を選んだほどだ。
「1.5度を超えるのは時間の問題」
ここで注目したいのは、この潮流をけん引しているのが中国だということだ。
パリ協定から離脱した米トランプ政権が気候変動対策に逆行する中、中国は「救い主」となりうるのだろうか。
パリ協定では各国が自国の排出削減目標(NDC=Nationally Determined Contributions)を策定し、国連気候変動枠組み条約の事務局に提出する必要がある。
COP30直前に公表された国連の「排出ギャップ報告書2025」の予測によれば、日本を含め各国の提出済みのNDCがすべて履行されたとしても、今世紀の地球の気温は2.3度~2.5度上昇してしまう。
COP30では1.5度目標は堅持されたものの、「1.5度を超えるのは時間の問題で、(ピークを過ぎて)また戻ってくると言い聞かせているような感じ」と12月2日に日本記者クラブで講演した東京大学の気候科学者、江守正多さんは語っていた。
この時、江守さんが「少し希望がある」と指摘したのが、世界の新設発電所のほとんどが再生エネになったことだ。
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の報告書によると、2024年に…
この記事は有料記事です。
残り912文字(全文1811文字)







