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株高不況の今こそインフレ追い風に株式保有?

週刊エコノミスト Online
日経平均株価は5万円前後で推移する
日経平均株価は5万円前後で推移する

 物価高にあえぐ家計だが、株式を持つか否かで明暗が分かれそうだ。

 日本経済は「株高不況」ともいうべき状態にある。2025年10月10日に日銀が発表した「生活意識に関するアンケート調査」によれば、家計の景況感を示す現況指数はマイナス58.7ポイントであった。前回調査の同年6月から8.3ポイント改善したとはいえ、依然としてコロナ期前の19年平均であるマイナス25を大幅に下回っている。

 家計の景況感が芳しくないのは、インフレ(物価上昇)がきついからであろう。同調査で集計される家計の予想物価上昇率(今後5年間)は平均値がプラス10.0%へと伸びを高めており、ここに家計の物価高に対する警戒が見て取れる。「不況」の定義はさまざまであるが、現在の状況を好・不況の二択から選ぶとなれば、多くの人が不況と答えるのではないか。

 消費者心理の悪化をよそに株価は著しい上昇を遂げている。株価上昇は業績に裏付けられたものだが、なぜ企業業績が拡大しているのかといえば、それはインフレの追い風を受けている面もある。

 売り上げが100、費用が50、利益が50という企業があったとする。ここで売り上げとコストが同時に2倍になったと想定すると、利益額はどうなるだろうか。いうまでもなく100(200〈100×2〉−100〈50×2〉)である。極めて単純な事例であるが、この時、他の条件に大きな変化がなければ、株価は2倍になる。株価とその裏付けとなる企業業績は名目値であるため、インフレは株価の追い風になる。

 ここで実質GDP(国内総生産)と名目GDPと株価の長…

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