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住宅ローン控除「新築偏重から中古重視へ」転換の理由

渡辺精一・経済プレミア編集部
=Getty Images
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 2026年度税制改正は、マイホーム購入を支援する住宅ローン控除について、省エネ性能の高い中古住宅の優遇策を広げ、新築との間にあった格差を解消する。一方で、省エネ性能が低い新築や災害リスクの高い地域の住宅は対象外とするなどメリハリをつける。住宅ローン控除は長らく、新築・持ち家取得を促す景気対策の意味合いが強かったが、今回の改正で、住宅政策のツールとしての転換が明確になってきた。

省エネ性能の高い中古住宅を優遇

 住宅ローン控除は、ローンを利用してマイホームを取得(新築・購入・増改築)する場合、年末ローン残高の一定率(現行0.7%)を所得税額から控除する(差し引く)制度。所得税から控除できない分は翌年の住民税から控除する。

 借入限度額は、住宅性能や家族構成などで差を設けている。

 改正前(25年入居分)は、新築の場合、最も性能の高い「長期優良住宅・低炭素住宅」は限度額4500万円で、子育て世帯など(19歳未満の子を持つ世帯や夫婦のいずれかが40歳未満の世帯)はさらに上積みがあり同5000万円になる。控除適用期間は最長13年だ。

 住宅ローン控除は、マイホーム計画になくてはならない存在だが、制度上は政策実現のため税を利用する時限的な税制で、期限を延長しながら、その時々の経済対策として中身を変えてきた。

 改正前の制度は25年末に期限切れを迎えており、25年12月に閣議決定した26年度政府税制改正大綱は、期限を5年延長したうえで新しい枠組みを決めた。

 そのポイントは大きく二つある。

 一つ目は、省エネ性能の高い中古住宅の優遇を手厚くしたことだ。

 改正前は、中古は新築と比べて税優遇が劣り、長期…

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。