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マスク氏「ヒューマノイド・プロジェクト」の舞台裏

ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
ニューヨークでキャンディーを配るオプティマス=Michael Bucher/WSJ
ニューヨークでキャンディーを配るオプティマス=Michael Bucher/WSJ

<BECKY PETERSON/2026年1月11日>

 米電気自動車(EV)大手テスラの未来はヒューマノイド(人型ロボット)たちにかかっている。同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)によれば、ヒューマノイドによって貧困がなくなり、人間が労働する必要もなくなる。同氏は投資家に対し、このロボットがテスラに「無限の」収益をもたらし、「史上最大の製品」になる可能性があると語っている。

 マスク氏は、テスラのヒューマノイド「オプティマス」が工場で働き、家事をこなし、手術を行い、人類の火星植民地化を支援するために火星に行くという 世界を描き 、それに同社の命運と個人資産を賭けている。現在、各ロボットは手作業で製造されているが、マスク氏は年間数百万台の生産を目指している。

 オプティマスは、現実世界についてもっと多くのことを学ばなければ、マスク氏が思い描く社会全体の大規模な変革で人間に取って代わることはできない。現状ではオプティマスがお披露目される際、エンジニアによって遠隔操作されていることが多い。技術面では、人間のような繊細さと器用さを兼ね備えた「ロボットハンド」の開発にテスラが苦戦していることが明らかになっている。また、マスク氏が経営する各企業の従業員からも、製造などの日常的業務においてオプティマスが本当に役に立つのか疑問視する声が上がる。

 マスク氏は懐疑派が間違っていることを証明しようと意気込んでいる。同氏の新たな報酬パッケージでは、テスラを時価総額8兆5000億ドル(約1330兆円)企業に成長させ、少なくとも100万台のロボットを顧客に販売するといった製品面・財務面の目標達成に10年間の猶予が与えられている。成功すれば、マスク氏は1兆ドルの報酬を獲得し、テスラは、同社が名をはせたEV業界の枠をはるかに超える存在へと拡大するだろう。

 モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジ…

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