A子さん(45)は従業員100人のメーカーで総務と経理の責任者をしています。部下の経理担当者が退職することになったため、求人サイトを利用して経理事務の経験者を募集したところ、B子さん(29)から応募がありました。A子さんはB子さんの採用に前向きでしたが、困ったことが起きました。
応募書類を確認すると、B子さんは2度ほど転職しており、いずれの会社でも経理事務の経験があるようでした。A子さんは早速、B子さんに連絡し、面接をしました。B子さんは受け答えもハキハキしており、A子さんの会社で使っている業務ソフトの操作経験もあるとのことでした。
履歴書には「在職中」とあったため、「採用となった場合、いつから出勤できますか?」と聞いたところ、「御社の都合に合わせます。いつからでも大丈夫です」と言います。
A子さんは「業務の引き継ぎなどあると思いますので、現在の勤務先の規定を確認した上で、勤務開始可能日を改めて連絡してください」と伝えました。すると翌日、B子さんからメールで連絡があり、2週間後となる月末で退職可能とのことでした。
面接の日程調整で違和感
A子さんはB子さんの他にも2人ほど面接をしていました。他の2人も在職中です。この2人は引き継ぎがあるため、1カ月もしくは2カ月先が勤務開始日になると返答してきました。そこでA子さんはB子さんに2次面接の日程調整を依頼しました。
候補日時として、平日の昼間の時間帯の他、在職中であることを考慮し、終業時刻後の時間帯も併せて提示しました。するとB子さんは、初回の面接と同様に、「平日の昼間の時間帯であればどこでも可能です」と言います。
他の応募者は1次面接の段階で、終業時刻後を希望したり、「この日であれば半休を取ることができます」など、現在の業務との兼ね合いを考えた上で調整している様子が見られました。しかし、B子さんにはその様子が全くなく、A子さんは違和感を…
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特定社会保険労務士
大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/







