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中国の不動産「小出し」対策で未回復 焦点は27年党大会

週刊エコノミスト Online
資金繰り難に陥っている中国不動産大手「万科」の建設現場=北京で2025年12月、Bloomberg
資金繰り難に陥っている中国不動産大手「万科」の建設現場=北京で2025年12月、Bloomberg

 長期化する中国の不動産不況に対して、中国政府の対策は「小出し」でもあった。2027年に中国共産党大会が控える中、従来の姿勢を転換させるかどうかがポイントになる。

 中国の不動産不況が続いて久しい。契機となった2020年の不動産業に対する融資規制(「三つのレッドライン」)導入からはや5年たつが、不況脱却の出口はまだ見えない状況だ。そうした中、恒大集団、碧桂園そして万科と、中国の名だたる大手デベロッパーが次々と経営難に陥り、不動産不況は中国経済不安定化のリスクとしてくすぶり続けている。

 また、もう一つのリスクとして忘れてはいけないのが、地方政府の隠れ債務だ。いずれも、過去の経済政策の負の遺産ともいえるバランスシート調整の主要課題である。そのプロセスについて、これまでの展開を振り返ったうえで、今後を展望したい。

 まず、不動産市場に関して、バランスシートの負債の観点からみると、「三つのレッドライン」による強力な対策を経て、不動産デベロッパーの負債は着実に減ってきた。中国国家統計局のデータから不動産部門の負債総額のGDP(国内総生産)比をみると、00年代および10年代を通じて上昇してきたが、20年をピークに低下している(図1)。

 他方、資産の観点からみると、過去のバブル局面では供給(着工)が需要(販売)を上回る局面がみられたが、20年代に入ってからは、供給が需要を下回っており、徐々に需給のバランスが調整されつつある。現在まで長期化している不動産不況は、この不動産部門のバランスシート調整の帰結であることはいうまでもない。

 これを「痛みを伴う改革」と肯定的に評価することもできようが、その経済的代償は深刻なものとなっている。不動産開発需要は21年のピーク時の約6割まで減少しているほか、不動産価格の下落による逆資産効果で消費が冷え込むなど、影響は広範に及んでいる。このため、中国政府はバランスシート調整を進めながらも、不動産市場の際限ない悪化は回避すべく、小出しに対策を発表してきた。

インフラ投資にも影響

 例えば、デベロッパーの資金繰り難により建設が中断した物件の完成および引き渡し支援の「保交房」や、地方当局が案件ごとにお墨付きを与えて銀行のデベロッパーへの融資を促す「ホワイトリスト」の取り組み、地方ごとに実施されていた住宅購入規制の緩和、主に地方政府によるデベロッパーの在庫住宅や遊休地の買い取り、老朽化した住宅地などの都市再開発による需要創出ほか、さまざまな手立てを講じている。

 もっとも、これら対策の資金の出し手は、地方政府や金融機関が中心で、規模に限りがあるため、効果は不十分とみられる。実際、24年に一時持ち直した不動産販売は25年の春先以降、再び悪化の一途をたどっている。

 一方の地方政府の隠れ債務に関して、負債の観点から、地方政府融資平台の負債総額(IMF=国際通貨基金=による推定値)のGDP比をみると、地方政府…

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