日本はレアメタルの6割を中国から輸入しており、供給の生殺与奪は中国が握っている。早急に「自前調達」の道を整える必要がある。
防衛装備品生産におけるレアメタル(レアアース〈希土類〉を含む希少金属全般)の重要性は、一貫して高まっている。代表的なレアメタルにはニッケル、コバルト、タングステン、レアアースなどがある。これらは高い硬度・耐熱性・耐腐食性・磁性など、鉄やアルミニウムでは代替できない特性がある。このため現代の防衛装備品の多くは、素材・部品の段階でレアメタルを多く使用する。
レアメタルの用途は、材料の高性能化・耐性強化と、電子機器・磁石などの中核素材への利用という大きく二つに分けられる(表)。前者では戦車砲身の耐熱・耐圧材としてのタングステン、航空機エンジン合金に不可欠のニッケル・コバルト、ステルス機外板の特殊材料など、武器の基本性能をレアメタルが支えている。後者はミサイル推進・姿勢制御機構用磁石のネオジム、赤外線センサーやレーダー用半導体のガリウムなどだ。
日本はレアメタルの供給を輸入に大きく依存し、ほぼ全量を輸入に頼るものもある。またレアアースも6割近くを中国から調達する。2010年9月に尖閣諸島沖の日本領海内で違法操業をしていた中国漁船が、逃走中に海上保安庁巡視船に体当たりする事件が発生した。この後に中国はレアアースの対日輸出停止・大幅制限を実施した。いわゆる「レアアースショック」で、レアアースの価格高騰と日本のハイテク産業に大きな混乱をもたらした。
レアメタルを利用して作られる特殊鋼や高性能磁石は民生…
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