気候変動対策を話し合う国連の会議が、国連気候変動枠組み条約締約国会議、通称COPです。その30回目となるCOP30が、2025年11月10日から22日まで(1日延長)、南米ブラジル・アマゾン河口の街ベレンで開催されました。
アマゾンといえば、温室効果ガスの一種である二酸化炭素の巨大吸収源であり、「地球の肺」とも呼ばれる世界最大の熱帯雨林です。ブラジルはこの象徴的な地でCOPを開催することで、森林保全と気候変動対策で中心的な役割を担っていることをアピールしたのです。
ところがこのCOP30に、世界2位の温室効果ガス排出国であるアメリカは、高官を派遣しませんでした。気候変動対策の国際枠組みである「パリ協定」が採択されたのは15年、パリで開かれたCOP21でした。この採択を主導したのは、当時のアメリカです。その採択から10年、アメリカはトランプ氏が大統領となり、再びパリ協定からの離脱を表明しています(アメリカは第1期トランプ政権でパリ協定を離脱した後、バイデン政権で復帰していました)。正式にパリ協定を離脱する26年1月を待たず、トランプ氏は大統領になってすぐに気候変動対策に関連する資金拠出を止める大統領令に署名しました。
気候変動否定論者のトランプ氏
トランプ氏は、気候変動否定論者です。以前から「地球温暖化は起きていない」と主張しており、アメリカ大統領に返り咲いた後、25年9月の国連総会でも「史上最大の詐欺だ」「太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、化石燃料より高価で機能しない」「石炭はクリーンで美しい」などと強弁しました。燃やせば大量の二酸化炭素が排出される石炭が「クリーンで美しい」とは……正直、理解に苦しみます。
トランプ氏は否定しますが、科学的見地からは、気候変動は確かに進行しています。この問題を科学的に検証しているのが、国連の「I P C C(Intergovernmental Panel on Climate Change =気候変動に関する政府間パネル)」という組織です。IPCCは1988年に設立されて以来、5~7年ごとに気候変動の状態とその影響について評価する評価報告書を発表してきました。
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