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実父の突然の訃報「忌引休暇たったの3日」は短くないか?

井寄奈美・特定社会保険労務士
=Getty Images
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 A夫さん(45)は従業員50人の印刷会社で勤務中、実家の父(72)が持病悪化で突然亡くなったと母(70)から連絡がありました。葬儀のため会社に忌引休暇を申し出たところ、「実父の場合は3日です。もし足りない場合は有給休暇を使ってもらって構いません」と言われ、困惑しています。

 実家は地方にあり、帰省するだけで半日はかかります。兄弟はおらず、A夫さんが中心になって葬儀を進める必要があります。忌引休暇が3日で足りるとは思えません。他社で勤務する妻(42)は「忌引休暇は配偶者の父の場合は5日、実父の場合は7日」と言われたそうです。A夫さんは自社の慶弔休暇のルールに疑問を抱いています。

慶弔休暇とは

 慶弔休暇とは社員本人や配偶者、親、兄弟、子など家族の結婚などに伴う慶事休暇と、同じく社員本人や家族が亡くなった時の忌引休暇の総称です。

 労働基準法などの法律が定めた休暇ではありませんが、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が2020年に従業員30人以上の会社(1万7000社)を対象に行った「年次有給休暇の取得に関するアンケート調査」によると、有効回答数5738社のうち5447社(94.9%)が慶弔休暇を導入しています。大半の会社に慶弔休暇があると考えてよいでしょう。

 慶弔休暇がある会社の場合、就業規則で付与対象となる事由(結婚、出産、親族の死亡など)、付与日数、休暇に対する給与の支払いの有無、休暇日数に休日を含めるか否かについて定めることになります。最低基準などはなく、会社が自由に定めることができます。

 同アンケート調査によると、制度を導入している会社のうち、慶弔休暇の期間に給料の全額を支払う会社が81.3%ある一方、無給とする会社も10.8%あります。つまり「休暇」は付与するが、「給料の支払いはない」とする会社も存在します。

父母死亡の忌引休暇は平均6日

 付与日数については、慶事休暇の場合は社員自身なのか、兄弟姉妹なのか、子なのか、忌引休暇の場合は父母なのか、配偶者なのか、兄弟姉妹なのかなどによって、日数を分けている会社が多く見られます。

 父母死亡の忌引休暇の日数については、…

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