会社勤めをリタイアしたシニアは、加入していた健康保険の資格を失うため、自分で次の公的医療保険を選ばなければならない。選び方によって保険料や給付内容は大きく変わり、退職前後の収入や家族状況にも左右される。大きく四つの選択肢のメリット・デメリットについて、パターン別に考える。
四つの選択肢のメリット・デメリット
国民皆保険の日本では、誰もが公的医療保険に加入する。働き方や年齢によって、健康保険▽国民健康保険(国保)▽後期高齢者医療制度――の三つがある。
健康保険は、会社員など雇われて働く人やその家族が対象で、傷病手当金や出産手当金などの給付が充実している。
主に、大企業が独自運営する健康保険組合▽中小企業の従業員向けの全国健康保険協会(協会けんぽ)▽公務員向けの共済組合――がある。
保険料は本人の給料に保険料率を掛けて算定し、本人と会社(事業者)が折半する。料率は、協会けんぽの場合、全国平均9.9%(2026年度)で本人負担4.95%だ。
国保は、自営業やフリーランスなど企業に属さない人が対象で、市区町村が運営する。保険料は、世帯ごとに国保加入者の前年の住民税所得の合算をもとにした「所得割」に、世帯で加入する人の数に応じた「均等割」を加えて算定する。
後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者全員と、65~74歳の障害を持つ人が対象。保険料は個人単位で支払い、窓口負担は原則1割だ。
会社員が定年などでリタイアし、再就職もしない場合は、健康保険の加入者資格を失うため、公的医療保険の切り替えが必要になる。
選択肢は、家族の健康保険の扶養に入る▽国保に加入する▽退職前の健保を任意継続す…
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