<TANZEEL AKHTAR/2026年4月9日>
イラン戦争に伴う原油価格の急騰を受け、世界中の金融市場が再び不安定化し、 数年ぶりの強気相場となっていた新興国市場にも下押し圧力がかかっている。
新興国市場は2025年、先進国市場をアウトパフォームし、MSCIエマージング・マーケット指数は34%高となった。アウトパフォームは17年以来だった。だが開戦以降、 投資家の安全逃避が続き、再び先進国市場優位の地合いとなっている。
それでもMSCIによると、株価収益率(PER)ベースでは、新興国市場は先進国市場よりも約40%割安だ。この差は、投資家が長年、ドル高の時期に米国資産を選好してきたことを反映している。米資産運用会社のバンガード、バンエック、ブラックロックの運用担当者は開戦前、一部の新興国市場への買いを推奨していた。イラン戦争によって投資見通しは混沌(こんとん)としているものの、原油などのコモディティー(国際商品)価格の上昇がこうした投資判断を後押ししていると担当者らは言う。
また、経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)改善と金利低下が新興国市場に有利に働き始めており、10年以上続いた米国資産選好の流れに対抗しつつあると指摘する。
実際、新興国の多くはインフレ率が過去平均を下回るか、その水準まで低下しており、中央銀行が利下げを始める中でも実質金利が高めの水準に押し上げられている。
ブラックロック・フロンティアーズ・インベストメント・トラストの運用担当者、エミリー・フレッチャー氏は「金利が低下するプロセスはすでに始まっており、それが経済の加速につながり始めている」と語る。「多くの国では、そのサイクルはまだ初期段階にある」
新興国市場にとってもう一つの有利な点は、先進国で現在、国内総生産(GDP)比100%を超える公的債務水準が常態化していることだ。両者の差は新型コロナウイ…
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