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半導体「エヌビディアとTSMC」技術力だけではない強さ

週刊エコノミスト Online
世界の半導体企業の中で圧倒的な存在感を示すエヌビディア(右)とTSMC=Bloomberg
世界の半導体企業の中で圧倒的な存在感を示すエヌビディア(右)とTSMC=Bloomberg

 半導体産業に君臨する米エヌビディアと台湾TSMC。その強みは技術力の高さだけでなく、開発ツールの提供や請負企業との協力体制の構築にある。

 2025年の世界の半導体企業売上額の1位は米エヌビディア、2位は台湾TSMCだ(図)。3月19日時点でエヌビディアは世界全企業の時価総額ランキングでトップの4.38兆ドル(約700兆円)と日本のGDP(国内総生産、663兆円・25年)を超え、TSMCも1.76兆ドル(約280兆円)となっている。両社がここまで大きく成長してきたのは、生成AI(人工知能)の需要をうまく捉えたからだ。

 エヌビディアは半導体設計を受け持つ「ファブレス」(自社工場を持たない)企業であり、TSMCは半導体製造を受け持つ「ファウンドリー」(製造受託)企業である。エヌビディアは生成AIに適したGPU(グラフィックス半導体)を開発し、その製造をTSMCに委託している。そして、微細化など他の追随を許さない高度な技術を持つTSMCがGPUを製造し、市場に供給することで世界的な地位を築くようになった。

 AIは単なるブームではない。どのような市場調査リポートを見ても、35〜40年ごろまでのロードマップや予想市場を描いている。1980年代中盤〜90年代のパソコン時代、00年代のインターネット時代、10年代のスマートフォンなどモバイル時代、そしてその次に見えているのが20年代以降、40年ごろまでにわたるAI時代という捉え方だ。

 AIが新しい時代への道を歩むようになったきっかけは、12年のディープラーニング(深層学習)応用の登場からだろう。カナダ・トロント大学のグループがエヌビディアのGPUチップとソフトウエア「CUDA」を使って、ディープラーニングの基となる「ニューラルネットワークモデル」を作ると、12年の画像認識コンテストでは圧倒的に少ない誤認識率で優勝した。

 米グーグルや米マイクロソフトなどが追試すると、さらに良い結果を示し、ディープラーニングの威力が世に知られ、AIブームがやってきた。22年には米オープンAIが300日をかけ、GPUを数千台使ってあ…

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