日本人のお金に対する知識や判断力を測る「金融リテラシー調査」の最新結果が2026年3月公表された。政府が「貯蓄から投資へ」を掲げ、少額投資非課税制度(NISA)の拡充などで、投資の裾野は広がるが、知識問題の正答率は前回より低下した。前のめりの投資と弱い金融リテラシーのギャップが浮き彫りになっている。
「貯蓄から投資へ」の土台となる金融リテラシー
金融リテラシーは、経済的に自立し、より良い生活を送るために必要な「お金に関する知識や判断力」をいう。調査は、その現状を把握するため、18~79歳の約3万人を対象に16年から3年おきに実施している。
今回は25年9~10月実施した。実施主体は従来、金融広報中央委員会(事務局・日銀)が担ってきたが、今回は、その業務を引き継ぎ24年に新設された官民一体組織「金融経済教育推進機構(J-FLEC)」に移った。
設問は54問あり、知識・判断力を問う正誤問題と、行動特性などを聞く質問からなる。4割程度は米国や経済協力開発機構(OECD)の同様調査と国際比較できる。
今回の調査はとりわけ注目度が高かった。というのも、前回調査(22年)の後、政府が推進している国家戦略「資産運用立国」に、金融リテラシーが深く関わるためだ。
政府は22年に策定した「資産所得倍増プラン」で、家計の金融資産(25年末で2351兆円)の約半分を占める預貯金を投資へ誘導し「成長と資産所得の好循環」を実現するとした。さらに翌23年の「資産運用立国実現プラン」では受け皿となる資産運用業の競争力強化などを掲げた。
だが、投資にはリスク(価格変動)が伴う。知識や判断力が不十分なまま投資…
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