<NICOLE NGUYEN/2026年4月14日>
小学5年生のエルシー・ライトさんは数カ月間、電話をねだり続けた。ついにクリスマスに電話を手に入れた。しかし、それはエルシーさんが思い描いていたものではなかった。
固定電話だったのだ。
米国の家庭では、子どもたちのスマートフォン使用を抑えるため、固定電話を設置してローテク生活を取り入れつつある。これにより、いくつかの問題が生じている。
電話を手に入れてから数週間、エルシーさんは友だちに電話をかけても、何を言えばいいのか分からず、苦痛に満ちた沈黙の中に座っているだけだった。
ノースカロライナ州アッシュビルに住む9歳のルナ・ジェームズ・マルティネスさんは、新しいティン・キャン(レトロな外観の子ども向け受話器)が不具合を起こしていると思い込み、何度も電話をかけ直していた。
母親のポーラ・ジェームズ・マルティネスさんは、ダイヤルトーン(発信音)とは何かを説明しなければならなかった。
ルナさんはまた、かつては当たり前だった基本的な使い方にも苦労し、スマートフォンをスピーカーモードにしたときのように受話器を顔の前に持ってしまい相手の声が聞こえないという状態になったりもした。
さらに、エチケットの問題もあった。よりアナログな時代の社会的な距離感に慣れていないルナさんの友だちの1人は、1日に17回も電話をかけてきた。ルナさんはその友だちに、電話をくれるのは2、3回で十分だと説明しなければならなかった。
それでも、電話が鳴りやまない状態でない限り、ルナさんは電話に出ることを楽しんでいる。誰が電話をかけてきているのか分からないことに、「ちょっとした意外性や未知の楽しさがある」と母親は語る。
多くの通信会社が従来の固定電話を支えてきた銅線を廃止しつつあるが、インターネット対応の新しい電話機がその代わりとなっており、子どもにスマートフォンを急いで…
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