A子さん(45)は会計事務所で税理士として働いています。会計処理の受託先であるB社に数カ月前に入社した経理担当のC子さん(56)から本来の業務と異なる初歩的な質問や愚痴を聞かされ、その対応で困っています。
B社の従業員は20人です。経理担当の前任者が突然退職したため、その後入社したC子さんは前任者からの引き継ぎなしで、経理業務を行うことになりました。
C子さんはこれまで通算20年ほど経理事務の経験があるといいます。それを聞き、A子さんは安心していました。ところが、会計ソフトの初歩的な操作方法や、勘定科目の仕訳の方法、過去データの保存場所などについて、毎日のようにA子さんに電話やメールで問い合わせがあります。
これまでA子さんの業務は、先方の担当者が入力したデータを確認するだけでした。B社で使用している会計ソフトの設定や操作方法、過去データの管理などにA子さんは関与していませんでした。それでもC子さんから質問があれば、会計ソフトの「よくある質問(FAQ=Frequently Asked Questions)」を確認するなどして、できる限りの対応をしていました。
「それはできません」と伝えたいが
B社の経理担当者はC子さんしかいません。C子さんにデータ入力を進めてもらわないと、A子さんの業務にも支障が生じます。
しかし、入社から数カ月が経過してもC子さんには「前任者が処理したデータを確認し、同じように作業を進める。それでもわからないことがあれば、A子さんに確認し、次からは自分で考えて進める」などという基本姿勢が全く見られません。
C子さんへの対応でA子さんは時間が奪われる一方です。挙げ句の果てには、B社の社長や営業部長に対する愚痴が、C子さんの業務連絡のメールに含まれるようになりました。
A子さんは上司に相談しましたが、「できないことはできないとハッキリ伝えたらどうですか。A子さんが親切に対応しすぎているからでしょう。業務と関係がないことは対応しなくて結構です」などと言います。
A子さんは「それはできません」と、C子さんにハッキリ伝えたいところですが、急に手のひらを返すような態度ははばかられます。いっそのことB社の担当から外れたいと考えていますが、自分が外れると、今度は別の担当者が同じ苦しみを味わうことになります。今後、どのように対応すればよいのか、C子さんと距離を…
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特定社会保険労務士
大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/







