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高市首相「ホルムズ海峡通らない原油6割確保」大丈夫なの?

川口雅浩・経済プレミア編集部
中東情勢に関する関係閣僚会議で発言する高市早苗首相(中央)。左は赤沢亮正経済産業相=首相官邸で2026年4月24日、平田明浩撮影
中東情勢に関する関係閣僚会議で発言する高市早苗首相(中央)。左は赤沢亮正経済産業相=首相官邸で2026年4月24日、平田明浩撮影

日本の中東依存が残した教訓(3)

 トランプ米政権は対露制裁を強めているが、「サハリン2」については「適用除外」として、原油と天然ガスの日本への輸入を認めている。昨秋時点で、米国がサハリン2からの輸入を認める期限は2025年12月19日だった。このため高市早苗首相は25年10月の日米首脳会談でトランプ大統領にサハリン2の重要性を説明し、輸入継続に理解を求めたという。その後、今回の中東有事があり、サハリン2と輸入の多角化はどうなったのか。

 高市首相は日米首脳会談で日本がサハリン2から撤退し、原油や天然ガスの輸入をやめれば、その権益が中国に渡り、結果として中国やロシアを利するだけだという考えをトランプ大統領に伝えたようだ。政府はサハリン1、2を国益として維持する考えを示している。

 この点について、木原稔官房長官は25年10月30日の記者会見で「詳細は外交上のやり取りで、コメントは差し控える。サハリン2を含めて天然ガスの確保は日本のエネルギー安全保障上、重要なものであり、安定的な確保に支障をきたさないよう万全を期していく」と、日米首脳間で「やり取り」があったことを認めた。

 サハリン2は天然ガスの生産時に副産物として「コンデンセート」と呼ばれる原油の一種を産出する。これをベースに「サハリンブレンド」という原油を輸出しているが、サハリンブレンドが輸出できずにタンクにたまり続けると、日本が必要とする液化天然ガス(LNG)の生産ができなくなる。このため「日本がサハリンブレンドを購入し続けることがLNGの安定供給のために不可欠だ」という。政府は米国にこの点も説明している。

「サハリン2の重要性は理解を得ている」

 米財務省がサハリン2の原油と天然ガスの輸出を「日本に限って例外的に認める」としていた期限(25年12月19日)が迫った12月17日、米財務省は「サハリン2の原油と副産物(天然ガス)の海上輸送は、日本への輸出に限り26年6月18日まで認める」と発表した。

 これを受け、木原官房長官は翌12月18日の記者会見で「サハリン2の重要性については、これまで米国をはじめとするG7(主要7カ国)各国に説明し、理解を得ているものと認識している。サハリン2の取引を適用除外とする延長措置が適切に講じられているものと認識している。引き続きG7をはじめとする国際社会と緊密に連携しつつ、日本のLNG供給の安定的な確保に万全を期したい」と述べた。

 一連の動きに対して、ロシア政府系とみられる現地メディアは「日本はウクライナ紛争をめぐる西側諸国の対露制裁を支持している」と批判。「日本はサハリン1から燃料(原油と天然ガス)を輸入していないが、供給源の多角化と長期的な安定確保のため(サハリン1、2が)重要と考えている」などと懐疑的に論評し、日本に揺さぶりをかけている。

 米財務省がサハリン2から原油と天然ガスの輸入を日本に…

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経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。