3万人規模の「金融リテラシー調査」によると、老後が視野に入る50代の6割超は、自分が受け取れる公的年金の額を知らない。現実には、高齢者の半数弱は生活費を公的年金に全面依存しており、認識と実態とのギャップが大きい。老後計画は公的年金の額を知ることから始まる。誕生月に郵送される「ねんきん定期便」や、4月に機能強化された「公的年金シミュレーター」などを活用して確認したい。
老後不安でも「動かない」50代
官民一体で金融経済教育を推進する金融経済教育推進機構(J-FLEC)は3月、金融リテラシー調査の結果を公表した。「お金に関する知識や判断力」の現状を知るため18~79歳の約3万人を対象に実施した。
調査結果からは、公的年金への理解不足が浮き彫りになる。全体では、将来受け取れる額▽年金の受給開始年齢(原則65歳)▽受給条件となる加入期間――などについて、それぞれ6割程度が知らなかった。
深刻なのは、リタイア時期が近づく50代でも理解が高まらないことだ。受け取れる額は64%が、受給開始年齢は55%が、それぞれ「知らない」と答えた。
50代の74%は退職後の生活に必要な費用を意識しているものの、必要額を認識しているのは47%にとどまる。資金計画を策定しているのは36%、資金を確保しているのは28%とさらに少ない。
一方で将来不安は強い。生命保険文化センターの「生活保障に関する調査(25年)」によると、50代の90%は老後生活に不安がある。不安の内容(複数回答可)は「公的年金だけでは不十分」が83%と最も高い。
50代の多くは老後への強い不安を抱えながら、必要資金の把握や具体的な資金計画…
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