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サイバー求人詐欺、実在リクルーター装う

ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
求職者の弱みにつけ込む新たな手口が米国で横行している=ANASTASIA KRAYNYUK FOR WSJ
求職者の弱みにつけ込む新たな手口が米国で横行している=ANASTASIA KRAYNYUK FOR WSJ

<CALLUM BORCHERS/2026年4月23日>

 その電子メールは、希望の光のように受信トレイを照らす。ヘッドハンターがあなたを求人の有力候補として見つけ出したというのだ。先方はあなたの履歴書の内容をよく把握しており、実在する採用担当者の署名があり、本物のリンクトイン・プロフィルへのハイパーリンクまで挿入されている。

 とはいえ、これは詐欺だ。

 サイバー犯罪者たちは採用担当者になりすまし、求職者から金銭や個人情報をだまし取ろうとしている。こうした手口は説得力がある。多くの本物の情報を使い、私たちが警戒しがちな危険信号を避けるからだ。

 柔軟な勤務時間で1日最大3000ドル(約47万7000円)を稼げるリモート勤務のポジションを宣伝するテキストメッセージには、ほとんどの人が引っかからないだろう。不自然な英語で書かれた電子メールや、昨日作られたばかりのSNSアカウントからのダイレクトメッセージには警戒心を持つものだ。

 しかし、詐欺師たちはますます巧妙になり、見破ることが難しくなっている。

 米テキサス州ヒューストンの人材紹介会社モナーク・タレント・ソリューションズの創業者で、これまで何度もなりすましの被害に遭ったサラ・エングレイド氏は「これは絶え間なく起きており、今や詐欺師たちは本当に巧みになっている」と言う。

 同氏がこうした詐欺に気付くのは、求職者が「サラ・エングレイド氏」から受け取ったオファーについて本人に確認の電話をかけた時だ。そのたびに同氏は悪い知らせを伝えなければならない。

 偽の電子メールを本物のエングレイド氏に転送する人もいる。同氏によると、それらはいかにも本物らしく見える。エングレイド氏はリンクトインとインスタグラムを積極的に活用しており、このことがなりすましの標的にされる原因ではないかとみている。

 求職者たちも、活発なオンライン活動はもろ刃の剣だと言っている。…

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