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米国の若者に「クールチャイナ現象」のなぜ

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中国系アプリ「TikTok」。米国の若者は支持=2025年1月、バージニア州アーリントン、Bloomberg
中国系アプリ「TikTok」。米国の若者は支持=2025年1月、バージニア州アーリントン、Bloomberg

 米国の若い世代で「チャイナ・マキシング(中国を最大化)」という言葉が流行している。太極拳を模した運動や、身体を冷やさない生活習慣の取り入れ、高速鉄道や電気自動車の普及、クレジットカードさえ使わないデジタル化された中国の日常生活への憧憬(しょうけい)がSNSに絶え間なく投稿されている。中国のものがカッコいい、中国人のようになりたいとの動機があるようだ。

 従来米国ではアニメや和食が人気の日本、K-POPに代表される韓国への根強い支持がある。一方、中国に対しては、デフレ輸出、模倣文化、強硬な「戦狼(せんろう)外交」、マナーの悪い団体観光客などのイメージが定着。ワシントンでは最大のライバル中国をいかに封じ込めるかが一貫した政策課題である。ではなぜ、米国の若者は米国とはあらゆる分野で遠いはずの中国を「クール」と見なすようになったのだろうか。

 英出身の歴史家ニーアル・ファーガソン氏はかつて「米中競争の勝者は明白だ。世界中の若者は米国に移住したいが、誰が中国に住みたいだろうか」と語った。習近平氏の強権体制下、米国のような世界の優秀な頭脳がもたらす創造性、ベンチャーを支えるマネー流入のエコシステムが中国にはなく、政府主導の経済・産業政策には限界があり、米国の圧倒的優位は揺るがないとの理由だ。

 ところが米国黄…

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