東京都立松沢病院名誉院長・精神科医
私は、サンフランシスコ講和条約の年に千葉県船橋市で生まれた。幼稚園以外の教育はすべて国公立の学校で受け、1980年に東京大学医学部を卒業して精神科の医師となり、40年を超える職業生活のうち26年間は国立大学や都立病院から給料をもらって生活してきた。生涯に私が受け取る税金は、私が払う税金より遙かに多い。公務員として働く間、私の信条は、医師として患者に誠実であること、公務員として納税者に誠実であることだった。9年間院長を務めた東京都立松沢病院を2021年3月末で退職したが、いまでも、私は非常勤の公務員、医師であり、私の信条は変らない。
専門家・執筆者記事 31件
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2024年3月1日
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増える孤立死の背景にある高齢者の貧困
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昨年12月25日付の日本経済新聞朝刊に、「『ひとり死』5人に1人、後顧の憂いどう断つ」というコラムが掲載されていました。…
2024年2月1日
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アルツハイマー病の終末期とは何か
人生100年時代を生きる~精神科医の視座2~
◇安全性確保のための「身体拘束」は不可避? 最近、地方の私立総合病院で、認知症の理解とケアをテーマに講演しました。 超高齢…
2024年1月2日
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アルツハイマー病新薬、レカネマブは本当に画期的か?
人生100年時代を生きる~精神科医の視座2~
「早期アルツハイマー病(アルツハイマー病による軽度認知障害<MCI>および軽度認知症)の人において、レカネマブは脳内のアミ…
2023年12月1日
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身体拘束は“必要悪”か 突出して多い日本の現状
人生100年時代を生きる~精神科医の視座2~
2016年、石川県の精神科病院に入院していた40歳の統合失調症の男性が、6日間にわたる身体拘束を受け、解除直後に急性肺塞栓…
2023年11月1日
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関東大震災と朝鮮人の虐殺 松沢病院で起きたこと
人生100年時代を生きる~精神科医の視座2~
1923年9月1日の関東大震災からちょうど100年になりました。 毎年、関東大震災記念日の前後には大きな話題になりますが、…
2023年10月1日
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戦争とPTSD 精神医療は誰のため?
人生100年時代を生きる~精神科医の視座2~
私にとって、8月は戦争の季節です。 6日の広島、9日の長崎への原爆投下、15日の終戦。子供のころ、日本は憲法9条に守られて…
2023年9月1日
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日本の精神科病床を減らす方法はあるのか?
人生100年時代を生きる~精神科医の視座2~
◇精神医療に関する三つのインタビュー 先月、新聞に掲載された日本の精神医療に関する有識者インタビューで、印象に残った記事が…
2023年8月1日
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「認知症になったら安楽死に」をどう考えるか~老いと死の臨床
人生100年時代を生きる~精神科医の視座2~
前回に引き続き、認知症と死について考えてみます。 私がこの問題を取り上げようと思ったのは、毎日新聞5月13日朝刊のオピニオ…
2023年7月1日
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命の尊厳とは何か 超高齢社会における認知症との向き合い方
人生100年時代を生きる~精神科医の視座2~
◇認知症の死をみとる 私は認知症の専門医として働いてきました。その中で、たくさんの忘れられない患者さんとの出会いがありまし…
2023年6月1日
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精神科病院での患者虐待を止めるために必要なこと
人生100年時代を生きる~精神科医の視座2~
◇誰にでも起こりうる弱者に対する虐待 漢和辞典で虐待の「虐」という文字を引くと、トラと爪(そう)という文字からなり、トラが…
2023年5月1日
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滝山病院問題から考える~精神科病院の不祥事はなぜ繰り返されるのか
人生100年時代を生きる~精神科医の視座2~
◇精神科病院のスキャンダル 日本放送協会(NHK)の「NHKニュース7」は2月15日、東京都八王子市にある精神科病院「滝山…
2023年4月1日
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マイノリティー差別の根幹にあるもの
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◇官僚舌禍事件の浅ましさ 荒井勝喜(まさよし)元首相秘書官が舌禍事件で更迭されました。 オフレコの場で、「(同性婚カップル…
2023年3月1日
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アルツハイマー病になった母がみた世界
人生100年時代を生きる~精神科医の視座2~
2022年11月に、晩年、アルツハイマー病になった私の母の日記を分析した本を出版しました。本のタイトルは、「アルツハイマー…
2023年2月1日
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「裁判を受ける権利」を制限される人たち
人生100年時代を生きる~精神科医の視座2~
森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題に関連して、上司の指示と正義感の板挟みになり、近畿財務局の職員が自殺…
2023年1月1日
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マイナ保険証と個人情報 医師の立場から考える
人生100年時代を生きる~精神科医の視座2~
私は54歳の時、食道がんを内視鏡切除しました。 以後、年に1度、内視鏡検査を受けており、今年も11月初めに国立がん研究セン…
2022年12月1日
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新型コロナの流行が明らかにしたこと
人生100年時代を生きる~精神科医の視座2~
国による感染状況の差を引き起こしたものは何か 新型コロナウイルスの感染状況をまとめた米ジョンズ・ホプキンス大学(JHU)の「…
2022年11月1日
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新型コロナ 感染者全数調査終了の意味するところ
人生100年時代を生きる ~精神科医の視座2~
好評だった連載「人生100年時代を生きる~精神科医の視座~」に続き、東京都立松沢病院名誉院長、斎藤正彦さんの新たな連載が始…
2022年10月1日
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ピンピンコロリの後始末
人生100年時代を生きる ~精神科医の視座~
先日、1人暮らしをしていた叔父が、自宅浴室で、遺体で発見されたというお話をしました。今回は、番外編でその顚末(てんまつ)を…
2022年8月7日
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超高齢社会を生きやすくするヒント
人生100年時代を生きる ~精神科医の視座~
「ピンピンコロリ」という言葉がはやったことがありました。ピンピンと元気で過ごし、ある日突然コロリと死ぬのが理想だということ…
2022年7月9日
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障害があっても、家族がなくても、安心して暮らすために必要なもの
人生100年時代を生きる ~精神科医の視座~
これまで、日本の人口高齢化の進行、高齢者の経済格差の拡大、単身、高齢夫婦世帯の増加を振り返り、単身、老老世帯に貧困が多く、…
2022年6月1日
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一人暮らしの高齢者が認知症になる前に知っておきたい便利な制度
人生100年時代を生きる ~精神科医の視座~
日常生活自立支援事業は、単身の高齢者が認知症になったとき、成年後見制度のように、包括的に権利を制限されることなく、社会福祉…
2022年5月4日
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備えあれば憂いなし 成年後見制度をうまく使った人たちの勝因は?
人生100年時代を生きる ~精神科医の視座~
前回までの連載では、成年後見制度の問題点ばかりを指摘してきましたが、今回はまず、この制度をうまく利用した高齢女性の例を紹介…
2022年4月6日
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心の傷を負ったのは誰か? 成年後見制度の問題と課題
人生100年時代を生きる ~精神科医の視座~
2000年4月に改正民法が施行され、新たに始まった成年後見制度は、判断能力の不十分な認知症などを持つ人を保護するための制度…
2022年3月2日
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成年後見制度 保護者と被保護者の関係性は正しいのか?/下
人生100年時代を生きる ~精神科医の視座~
前回(https://mainichi.jp/premier/health/articles/20220203/med/0…
2022年2月5日
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成年後見制度は高齢者の人権を守るか?/上
人生100年時代を生きる ~精神科医の視座~
「成年後見制度」という言葉を耳にしたことがある人は多いでしょう。認知症などで自分の財産を自己管理できなくなったときや、自分…
2022年2月4日
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高齢者の生活 支援者の有無でどう変わる?
人生100年時代を生きる ~精神科医の視座~
前回は、単身生活をする75歳以上の「後期高齢者」に認知機能の低下が生じた場合に起こる三つのリスクについてご説明しました。簡…
2022年1月5日
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一人暮らしの高齢者 認知機能の低下で何が起こる?
人生100年時代を生きる ~精神科医の視座~
◇日常生活と密着な関係がある「実行機能」 2019年の国民生活基礎調査によると、65歳以上の高齢者がいる世帯は全世帯数の4…
2021年12月1日
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私たちが生きている高齢社会の現状
人生100年時代を生きる ~精神科医の視座~
前回、世間で言われている認知症高齢者の激増という話は、アルツハイマー病のような特定の認知症を引き起こす病気が何らかの原因で…
2021年11月3日
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認知症の脱医療化時代
人生100年時代を生きる ~精神科医の視座~
1990年から2010年ごろまでの間、私自身を含め、認知症に関わる医師にとって、「認知症は医療の問題」という認識は自明のも…
2021年10月6日




