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がんで死ぬことはやはりつらいことだと思います

石蔵文信・大阪大学招へい教授
 
 

 自身のがんとの闘病を通して、シニアの生き方や逝き方について医療プレミアに寄稿していただいた石蔵文信・大阪大招へい教授が10月3日、大阪市内の自宅で亡くなりました。11月19日までに家族が明らかにしました。享年66歳。「大往生したけりゃ医療とかかわるな~『自然死』のすすめ」(幻冬舎新書)などの著書がある医師の中村仁一さんから、生前、「口から食べられなくなった高齢のがん患者さんに、不必要な栄養補給をするのは、かえって患者さんを苦しめることになる。治療を控えることが患者さんが安らかに旅立つ良い方法だ」と教えられたという石蔵さん。ピンピンコロリ(いわゆる突然死)派からがんで死ぬ派に転向したものの、自身ががんになり、全身に転移してつらい闘病を経験してからは、「中村さんの話とは若干違うような気がする」とも語っておられました。石蔵さん、生前、最後の寄稿です。

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 今日私がやっているのは、まず骨に転移したがんの痛みのコントロールです。7月から始めた緩和ケアの効果があり、少し前までは落ち着いていましたが、最近、痛みが強くなったので、医療用の麻薬(オピオイドといいます)を当初の使用量の25mgから50mgに増量しています。

便秘傾向が強まる

 オピオイドを増やしたからといって大きな副作用はありませんが、ただ便秘が強くなりました。定期的に緩下剤を服用していますが、どうしても便秘が長期間続く時はイチジク浣腸(かんちょう)を使っています。イチジク浣腸は私が医者になる前から存在していた大変古いお薬です。…

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大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。