楽しい! 健康力の育て方 フォロー

体にいいはずが、命の危険も…… 気をつけたい果物の取り方

金子至寿佳・日本赤十字社 和歌山医療センター 糖尿病・内分泌内科部長

 寒暖の差が激しく、体調に支障を来す人も多いのではないでしょうか。新型コロナウイルスやインフルエンザなど、感染症もはやりやすいこの時期、ビタミンCなど栄養豊富な果物をたくさん食べて体調を整えようとする人も少なくないかと。しかしちょっと待ってください。その果物の取り方、本当に健康的ですか。私が出会った患者さんのケースを通して果物の「良い取り方」「悪い取り方」をお伝えしたいと思います。

果物と薬の飲み合わせは大丈夫?

 高血圧と2型糖尿病で治療中のAさん「中性脂肪の値が驚くほど高いので、間食は一切しません。果物は『体にいい』と聞いたので、朝は自分でグレープフルーツ4個ほどを小松菜やケールなどと一緒にしぼり、主人と飲んでいます」

 果物には服用中の薬の効果を変えてしまうものがあります。特に海外旅行やホテルで見かけるグレープフルーツジュースは要注意です。薬を分解して効果を消す酵素の働きを邪魔するため、かえって薬の効果が強く出てしまうからです。

 半分に切って固形で食べるくらいの量なら問題ありません。しかしジュースとなると3~4個は使うので、これだけの量を体に入れると薬に影響を与えてしまいます。

 オレンジジュースやリンゴジュースも一緒に飲むと、体に吸収される薬の量が減るので効果が弱まります。グレープフルーツ同様、オレンジやリンゴも固形のままカットして食べる分には問題ないのですが、ジュースにすると何個も取ることになるため問題となってきます。

 とにかく、薬を飲む時は水が基本であることを忘れないでほしいです。

 服用している薬をしっかり理解しておくと、果物と薬の「飲み合わせ問題」を防ぐことができます。医師任せにしておいてはよくありません。健康力を発揮して、自分の身体に入る薬は一体どんなものなのか、医師・薬剤師とダブルチェックする意味でも、他の人に説明できるくらい知っておきたいですね。

高カリウム値、腎臓機能は……

 Bさん「スイカを毎日、朝と夕に1玉の半分ずつ食べています。腎臓にいいとテレビでやっていましたので。健診で『腎臓が悪い』と言われたので、せっせと食べています」

 スイカは約90…

この記事は有料記事です。

残り1985文字(全文2878文字)

日本赤十字社 和歌山医療センター 糖尿病・内分泌内科部長

かねこ・しずか 三重県出身。医学博士。糖尿病医療に長く携わる。日本糖尿病学会がまとめた「第4次 対糖尿病5カ年計画」の作成委員も務めた。日本内科学会認定医及び内科専門医・指導医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医・指導医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医・指導医、日本老年病学会認定老年病専門医・指導医。インスリンやインクレチン治療薬研究に関する論文を多数執筆。2010年ごろから、糖尿病診療のかたわら子どもへの健康教育の充実を目指す活動を始め、2015年からは小中学校で出前授業や大人向けの健康講座を展開している。