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うなぎと梅はNG? 食べ合わせのウソ、ホント

金子至寿佳・日本赤十字社 和歌山医療センター 糖尿病・内分泌内科部長

 食べ合わせは、食材の組み合わせによって体に悪い影響が表れることをいいます。「合食禁(がっしょくきん)」「食合禁(しょくごうきん)」ともいい、古くから日常の食生活の中で親から子へと口頭で伝えられ、注意を促されてきました。夏本番を迎え、夏らしい食べ物を口にする機会も増えていることでしょう。うなぎを食べる習慣の「土用の丑(うし)の日」に合わせ、夏の食材を巡る食べ合わせについて知っていただけたらと思います。

天ぷらとスイカ、相性は?

 最近、嘔吐(おうと)を繰り返すとのことで、40代の男性が病院の救急外来を受診しました。話を聞いてみると、お祭りのために作られたハモの天ぷらとスイカをたくさん食べたと言います。

 天ぷらは油が多く、消化しにくい食べ物です。スイカは水分が多く、胃腸を冷やして胃液を薄めます。天ぷらとスイカを食べ合わせたことで消化能力が下がり、気持ち悪くさせた可能性があります。

 子どもの頃、渡りガニを食べた時は、親にかき氷やスイカは食べさせてもらえませんでした。祖父の家に親戚一同が集まった時に限り、大人の目が届きにくくなり、カニやスイカ、かき氷などを好きなだけ食べて、おなかの調子を崩したことが思い出されます。

 昔は食べ合わせで体調を崩しても、薬が十分でなかったため、予防することが重要だと考えられていました。薬が普及した現代社会でも、食べ合わせからつらい思いをしないよう、その知恵は色あせていないと思います。

うなぎと梅干しはどうか

 7月30日は「土用の丑の日」です。そこで、うなぎの食べ合わせについて考えてみたいと思います。脂肪分の多いうなぎを食べるのは、夏の暑さで食欲が低下するこの時期に滋養をつけて体力を取り戻すためです。しかし、脂肪が多いため、いろんな食べ物との相性に支障をきたしています。

 例えば、桃との食べ合わせです。桃は土用の丑の日のころが最も旬で、おいしい時期ですが…

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日本赤十字社 和歌山医療センター 糖尿病・内分泌内科部長

かねこ・しずか 三重県出身。医学博士。糖尿病医療に長く携わる。日本糖尿病学会がまとめた「第4次 対糖尿病5カ年計画」の作成委員も務めた。日本内科学会認定医及び内科専門医・指導医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医・指導医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医・指導医、日本老年病学会認定老年病専門医・指導医。インスリンやインクレチン治療薬研究に関する論文を多数執筆。2010年ごろから、糖尿病診療のかたわら子どもへの健康教育の充実を目指す活動を始め、2015年からは小中学校で出前授業や大人向けの健康講座を展開している。