この時期、サツマイモや栗、干し柿など、いろんな「秋の味覚」がお店に並んでいて、いやがおうでも食欲がかき立てられます。ただし、食べ物にどんな栄養素が含まれているのか知らないで食べ過ぎると、とんでもない目にあうことも。秋の味覚の思わぬ落とし穴に陥らないためにも、知っておきたいこととは何でしょうか。

便秘にいい、サツマイモと栗

 9月も終わりの頃の、ある患者さんとのやりとりです。

 私「外にも出やすい気候になってきましたね。筋肉の曲げ伸ばしができる、ちょっとした運動でも体にいいので、やってみてください」

 患者さんA「運動はちょっと……。でも『食欲の秋』ですよね。サツマイモなんかおいしそう」

 さつまいもは秋を代表するいも類です。「栗よりうまい十三里(甘藷=かんしょ、サツマイモ)」ということわざがあるくらいで、栄養素をとても多く含んでいます。

 まず、不溶性食物繊維が100g(1㎝の輪切り約3切れ分)あたり1.8gと豊富です。この食物繊維は水分を含んで膨らみ、便の体積を増やします。これが便の蠕動(ぜんどう)運動を促し、便通を刺激するので、便秘の人にはよい効果を発揮します。

 ビタミンCも100gあたり25㎎、1日の摂取量の4分の1ほどが得られます。食後血糖値の上昇を示す指標「Glycemic Index」(GI)も55で白米(84)より低く、血糖値の上昇を抑えられますが、炭水化物が多いので、食べる際には白米など他の炭水化物を減らすとよいでしょう。

 秋を代表する味覚「栗」も不溶性食物繊維が多いことで知られています。サツマイモより多く、100g(5個程度)あたり6.3gも含んでいて、便秘の改善に向いています。実はビタミンB1も0.17gと多く含まれています。

食べ過ぎは心臓に悪影響!?

 一方、サツマイモや栗はカリウムを多く含んでいます。サツマイモは100gあたり380㎎、栗は同420mgもあります。

 カリウムは体にあって、…

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日本赤十字社 和歌山医療センター 糖尿病・内分泌内科部長

かねこ・しずか 三重県出身。医学博士。糖尿病医療に長く携わる。日本糖尿病学会がまとめた「第4次 対糖尿病5カ年計画」の作成委員も務めた。日本内科学会認定医及び内科専門医・指導医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医・指導医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医・指導医、日本老年病学会認定老年病専門医・指導医。インスリンやインクレチン治療薬研究に関する論文を多数執筆。2010年ごろから、糖尿病診療のかたわら子どもへの健康教育の充実を目指す活動を始め、2015年からは小中学校で出前授業や大人向けの健康講座を展開している。