日本でも広く流通している「超加工食品」(ultra-processed foods)。便利なのでついつい利用しがちですが、栄養のバランスが悪いものが少なくないことはご存じでしょうか。食べ過ぎは糖尿病や心臓病のリスクを引き上げるなど体に害でもあります。超加工食品から身を守るためにすべきこととは何でしょうか。
総エネルギーの3~5割
「体がだるく、口が渇き、トイレに何度も行くようになった」――。ある時、こんな悩みを抱えた50代の女性が、私のいる病院にやって来ました。
一般に血糖値が朝食前の空腹時で126mg/dl以上で、食後から2時間経過した時で200mg/dl以上、またはヘモグロビン(Hb)A1cが6.5%以上で糖尿病と診断されます。そこで女性の血液を検査すると、血糖値は400mg/dlを超え、HbA1cも15.0%と、いずれも異常に高い数値でした。
いろいろと原因を探るうち、女性は食事についてこんなことを言い出したのです。
「365日、冷凍食品を食べていました。食事を作るのが苦手で……」
糖分や塩分、脂肪を多く含む加工済みの食品のことを「超加工食品」といいます。身近な例としては、菓子パンやカップ麺などのインスタント食品、シリアル、ソフトドリンク、お菓子、加工肉などがあります。冷凍食品もその一つです。
常温で保存し、日持ちを良くするため保存料を含んだり、果糖やうまみであるアミノ酸、油脂などが加えられたりしたものもあります。お昼ご飯やおやつとして口にする菓子パンは果糖が多く、人工油脂などもたっぷり使われていて、糖尿病の患者さんが高血糖になる原因になっています。
超加工食品は日本の食生活にかなり浸透しています。東京大チームの研究によると、20~69歳の388人の食事記録から、超加工食品からのエネルギー摂取量は1日の総エネルギー摂取量の3~5割程度を占め、それが多い人ほど食事の質が低いとのことでした。
高脂肪食で血糖値下がらず
女性は食事にあまりに無頓着だったため、入院治療中に何が適正な食事なのかを覚えることにしたのです。
冷凍食品の裏側には、栄養成分表示が記載されています。
たとえば、…
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