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頭を打ったら脳外科? 中耳炎や肌荒れは小児科でも診てもらえるの? 知っておきたい、判断を誤らないためのポイント

白井沙良子・小児科医
 
 

 「熱や鼻水が続いて中耳炎が心配。小児科ではなくて耳鼻科に行った方がいいのかな……。あれ? 湿疹も出てきたから、皮膚科も予約しないといけない?」

 「頭を打った後、元気にはしてるけど、受診してCTなどの検査をした方がいいのかしら?」

 お子さんのいる方にとっては、まさに”あるある”でしょう。子どもの体調不良やケガは急にやってくるもの。新生活が始まり、環境が変化しやすい4月はなおさら心配です。複数の症状がある時は、どの科を受診したらよいのか、悩みますよね。

 そこで症状別に、どの科に行くべきか、一般的なポイントを解説します。実際にどの症状に対応できるかは医療機関や医師によっても異なりますので、よく確認の上、受診してください。

中耳炎は小児科でも大丈夫?

 熱や鼻水が治まらないと、中耳炎が心配になる親御さんもいらっしゃると思います。実際に生後6カ月までに約48%、1歳までに約80%、2歳までに約90%のお子さんが1回は中耳炎にかかったことがあるといわれており、とてもメジャーな病気です。

 子どもの耳管(じかん:口と耳をつないでいる管)は大人よりも短いため、ウイルス感染などをきっかけに鼻や口の細菌が耳に入り込み、中耳炎を起こしやすいとされています。また、子どもは鼻をしっかりかめないこと、大人と比べてへんとう(口の中の免疫組織)が大きいことなども原因と考えられています。

 中耳炎が心配なので診てほしいという場合は、まず耳鼻科がお勧めです。中耳炎かどうかは、耳の奥深くにある鼓膜を見る必要があるからです。鼓膜は耳鏡(じきょう:耳を見るための専用の器具)を使わないと見ることができません。さらに耳あかがたまっている場合は、鉗子(かんし)という道具を使って、耳あかを除去する必要があります。

 もちろん小児科の中には耳鏡や鉗子を備えた医療機関があるので、その場合は一般的に中耳炎の診断や処方(抗菌薬など)が可能です。近くに耳鼻科がない時などは、まずかかりつけの小児科に確認してみましょう。

 なお、中耳炎の時は発熱していることも多いので、耳鼻科の医師に「この後、小児科に行ってください」と言われることがあります。耳鼻科では、子どもに対する解熱剤の処方や、発熱検査(インフルエンザの迅速検査など)ができないことも多いからです。複数の科や医療機関を受診するのは大変ですが、まずは耳鼻科で中耳炎を診てもらってから小児科を受診した方が、一般的にはスムーズです。

 さらに保護者が喫煙していると、そのお子さんは中耳炎になりやすいことが知られています。たばこの煙によってお子さんの免疫機能が低下して風邪をひきやすくなったり、耳管の粘膜が腫れやすくなるからです。

 また、肺炎球菌やインフルエンザウイルスは中耳炎の原因となるため、ワクチンを接種することは中耳炎の予防にもなります。ワクチンについてはこちらの記事も参照してください。

鼻吸いは小児科? それとも耳鼻科?

 子どもの風邪のひき始めは、鼻水がよく出るものです。寝苦しそうにしていたり、ご飯が進まなかったり、せきが出たりしているのを見ると、何とかしてあげたくなりますよね。

 医療機関で鼻吸いをしてほしい場合は、小児科でも耳鼻科でもできる可能性はあります。ただしいずれの科でも、鼻吸いの機械があることが前提です。

 また機械はあってもお子さんが発熱している場合は、感染対策のために鼻吸いはできないという医療機関もあります。鼻吸いをしている間に子どもが泣いたり、せきをしたりすることで、医療機関内にウイルスが拡散される恐れがあるからです。

 よって鼻吸いを希望する場合は、診療科というよりは、まずは医療機関に問い合わせてみるのが確実です。

 ちなみに、お子さんが鼻吸いを嫌がったり、せっかく医療機関で鼻吸いをしてもらっても、泣いたり寒かったりすると帰宅する頃にはまた鼻水が出ていたり……ということがよくあります。鼻吸いは自宅でする方がお子さんにとっても親御さんにとっても負担が少なくて済みます。

 お薦めは電動の機械。医療機関にある機械とほぼ同じ吸引力でしっかり吸うことができます。詳しくは、こちらの記事を参照ください。

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小児科医

小児科専門医。IPHI妊婦と子どもの睡眠コンサルタント(IPHI=International Parenting & Health Insutitute、育児に関するさまざまな資格を認定する米国の民間機関)。慶応大医学部卒。東京都内のクリニックで感染症やアレルギーの外来診療をはじめ、乳幼児健診や予防接種を担当。2児の母としての経験を生かし、育児相談にも携わる。