<光武さん
はじめまして。私は現在大学3年で、これからサマーインターンを控えています。
障害特性には薄々気づいていましたが、大学に入り、授業を自分で組んだりするなど、皆ができる些細(ささい)なことが苦手だと気づき、障害と診断を受けることとなりました。
これから就活をするにあたり、健常者と同じ世界で生きていくべきか、障害者雇用を選択するべきか悩んでいる中で、光武さんの記事にたどり着き、質問させていただきました。
よろしければ光武さんのご意見を教えていただけないでしょうか>
新卒就活に不安
普段、私はYoutubeやX(ツイッター)といったメディアを使い、障害特性との付き合い方などを発信しています。若い世代にとっても自分の特性に関する関心は非常に強くなってきており、新卒就活が始まる中で、こうした質問がくるケースが増えてきました。
今回の質問者は東京都内の私立大学に通う藤谷さん(仮名)です。
文学部に進学し、それなりに苦労しながら大学生活を送っていらっしゃったようです。特に履修や出席など、これまである程度レールにさえ乗っていればよかった高校時代と異なり、自己責任の範囲内ですが、自分で選択するという環境になじめず、大学1年生のときに「発達障害」という診断を受けたそうです。
メールによる事前のやり取りと通じて、某日都内のカフェで彼女と1時間ほどお話をする約束をしました。
「光武さん、はじめまして。メールへのお返事ありがとうございます。本日はよろしくお願いします」(藤谷さん)
「こちらこそよろしくお願いします」(光武)
「とても緊張していますが、せっかくの機会なのでいろいろとお話を伺いたくて……」(藤谷さん)
こわばった表情には彼女の不安と期待が交じりあっていました。
周囲に理解者が少ないため、同じような境遇の人間に自分のことを話すのはほぼ初めてだったのだと思います。
アイスブレークもかねて自分の身の上話、大学の頃の失敗談を話していくことで、少しずつ緊張の糸がほぐれてきたようです。
「えっと、今日は新卒就活でどうすべきか悩んでいるって話でしたよね」(光武)
タイミングを見計らって、彼女の質問の本丸へと話を進めてみることにしました。
「藤谷さんは、これからどんな選択を取るべきか悩んでいるみたいだけど、具体的にはどんな不安があるのかを教えてもらえますか?」(光武)
新卒就活の現状は?
彼女の話を進める前に少しだけ、新卒就活と障害者雇用の実情を皆さんにお話ししておこうと思います。
現在、転職市場…
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発達障害キャリアカウンセラー
1985年、佐賀県出身。上智大学文学部中退後、フリーの予備校講師として活動し、学習参考書や発達障害関連の記事を執筆。障害者雇用を基軸とする人的資本経営の人事・組織コンサルタントを経て、株式会社Speeeにて中途採用リクルーティング業務に従事。2017年に発達障害者のためのバー「The BRATs(ブラッツ)」を東京・渋谷でオープン(現在は東京都内のイベントバーで随時開催中)。店舗のホームページ 光武さんのX(旧ツイッター)アカウント





