「保険料の金額に疑問がある」「今の状態では介護サービスを使えないと言われた」――。市民の立場で長年、多くの利用者らの電話相談に応じてきた任意団体「市民福祉情報オフィス・ハスカップ」が新しい報告書「ハスカップ・レポート2023-2025」をまとめた。主宰者の小竹雅子さんは「介護が必要になってから情報収集したのでは負担が大きい」という。なぜ介護保険はこうも使いづらくなってしまったのか。報告書から見えてきた、介護保険の実相とは? 【大和田香織】
不利益な制度改定 多くの人が議論に気づかないまま実施
「ハスカップ」は介護保険法改定など行政情報の紹介や分析を中心に、メールによる「市民福祉情報」の無料配信をほぼ毎週続けている。主宰者の小竹さんは1980年代、障害児の就学を進める運動に取り組み、90年代後半から市民の立場で介護保険制度創設を求める運動に携わってきた。当事者やケアマネジャーら専門職が2006年から20年まで行ってきた電話相談の事務局を務め、その結果を報告書にまとめて政策提言もしてきた。
今回の報告書のタイトルは「介護保険制度はなぜ使いづらいのか」。
高齢化の進行で、介護保険の見直しは負担増と利用抑制が続いてきた。サービスを使った人が払う利用料は制度開始時、一律に1割負担だったが、現在は収入に応じて2割、3割負担が導入され、訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタルは、使えるサービスの内容や利用回数にさまざまな制限が加わった。「要介護1」より状態の軽い「要支援1」や「要支援2」と認定された人は、14年の法改正で、介護保険の訪問介護やデイサービスの対象外に。自治体ごとに実施する総合事業(地域支援事業)の中で訪問介護やデイサービスに準じたサービスを…
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