みなさん、こんにちは。
光武です。
冬の寒い時期はどうしても気持ちがめいってしまうものですね。2月に入り、急激に気温が下がり、不安定な天候と気圧によって外に出るのがおっくうになってしまう当事者も多いように感じます。実際、私が経営するバーの営業は、1~2月はご来店される人数が少なくなりやすく、統計的にも考察は正しいのかなと感じています。
気持ちがめいると、どうしても悪い想像(妄想といってもいいかもしれません)が駆け巡ってしまうのが注意欠陥多動性障害(ADHD)です。うつ期に突入して、休職してしまう発達障害者はかなり多いと言われています。
派遣社員から正社員になったけれど
さて、今日ご相談にいらっしゃっている方は池上さん(仮名)。発達障害の一種、自閉スペクトラム症(ASD)の診断を受けた30代前半の女性で、派遣社員を経て、現在は正社員としてメーカーの総務で働いていらっしゃる方です。どんな悩みがあるのか、ゆっくり話を進めていきたいと思います。
「光武さん、はじめまして。池上といいます。いまは障害者雇用ではなく、クローズ就労(特性を開示せずに働く働き方)で働いているのですが、これからの働き方について相談したく、今日はお邪魔させていただきました」
「もちろんいいですよ。ぜひお話を聞かせてください」
「現在、東京都内に本社があるメーカーで総務の仕事をしています。もともと、派遣社員の時から今の会社に入社しているんですけど、正社員登用の話を受けて、1年前から正社員として働いています」
「特性を持ちながらこうした働き方を打診されたのはすごいことですね。めちゃくちゃ努力して今の地位を獲得されたのかなって思いました」
「そうですね。かなり努力はしたと思います。肉体的にもメンタル的にもしんどいときはありましたけど、休職しないでやりきれた部分は自分でも誇れる部分かなって思っています」
「なるほど。ということは、今日ご相談にいらっしゃったのは、正社員に登用されてから、業務に何らかの変化が起こり、そこで苦労されているということでしょうか?」
「はい。ある程度切り出された業務をこなすときは、完璧ではないにせよ、ギリギリ耐えていたんですけど……」
「分かりました。じゃあそのあたりを掘り下げていきましょうか。でも、まずは温かいお茶でも飲んで、一息ついてからがいいと思いますよ」
「ありがとうございます」
緊張していた表情が、お茶を飲んでいく中でほぐれていきます。柔らかな顔つきになってきたタイミングで、池上さんに話を振ってみました。
判断を求められる機会が増えると
「ところで、正社員になってからしんどさが増えたって話ですけど、もう少し具体的にどんな状況になっているのか、池上さんの状況をお聞きしてもいいですか?」
「分かりました。うまく話せるか分からないですけど、よろしくお願いします。えっと、どこから話せばいいかな、整理しながら話しますね」
「よろしくお願いします」
「派遣時代って、…
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発達障害キャリアカウンセラー
1985年、佐賀県出身。上智大学文学部中退後、フリーの予備校講師として活動し、学習参考書や発達障害関連の記事を執筆。障害者雇用を基軸とする人的資本経営の人事・組織コンサルタントを経て、株式会社Speeeにて中途採用リクルーティング業務に従事。2017年に発達障害者のためのバー「The BRATs(ブラッツ)」を東京・渋谷でオープン(現在は東京都内のイベントバーで随時開催中)。店舗のホームページ 光武さんのX(旧ツイッター)アカウント





