「血圧が高めの方へ」や、「バランス良く効率的に補給」などの文言がパッケージに並ぶ健康食品に、魅力を感じる人は少なくないだろう。一方、昨年3月には、小林製薬の紅こうじサプリメントを摂取した人に健康被害が起きたことが明らかになった。市場にあふれる健康食品と一体どのように付き合えばいいのだろうか――。今年1月に「サプリメントの不都合な真実」(ちくま新書)を出した日本食品衛生協会の畝山智香子・学術顧問に聞いた。
機能性表示食品は国への届け出だけ
――小林製薬の問題をどのように見ていましたか。
◆健康食品による健康被害は、いつかは起きるだろう、実際に起きているだろうと予想していました。しかし、これほど大きな問題が明らかになるとは考えてもいませんでした。しかも、いまだに全容は明らかになっていません。
現状で明らかになったのは、急性影響の一部だけで、長期に及ぶ慢性影響は不明です。本来なら、原因物質とされる「プベルル酸」の毒性試験をきちんとすべきですが、残念ながらそうした動きはないようです。
――この事件をきっかけに健康食品への注目が高まりました。そもそも健康食品とは何ですか。
◆人が摂取する食品のうち、何らかの健康効果をうたっているものを指します。本来、病気の治療や予防効果を示せるのは医薬品だけですが、「保健機能食品制度」によって、特定保健用食品(トクホ)▽栄養機能食品▽機能性表示食品――の三つが販売されています。
トクホは国が審査をし、食品ごとに消費者庁長官が効果を表示する許可を出しています。栄養機能食品は、ビタミン類など栄養成分を一定基準以上含めば国が定めた機能を示せます。
一方、機能性表示食品は、販売前に機能性の根拠を示す情報を、国に届け出れば表示して販売できる仕組みです。個別に許可を得ているわけではありません。根拠が薄弱でも、届け出が形式通りにされていれば良いという手軽さから、機能性表示食品が大幅に増えています。
「食品だからゼロリスク」ではない
――健康食品に健康を害するリスクがあるのには驚きました。
◆食品だから安全だと思っていませんか。食品には…
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