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「ケアプラン有料化」案がはらむ「利用者の負担増」より大きな問題 次期改定で介護保険はどう変わる?

中澤まゆみ・ノンフィクションライター
制度改正が話し合われる社会保障審議会介護保険部会=東京都港区で2023年12月7日、宇多川はるか撮影
制度改正が話し合われる社会保障審議会介護保険部会=東京都港区で2023年12月7日、宇多川はるか撮影

 次期(2027年度)介護保険制度改定に向けての議論が、昨年末から本格化してきました。国が見直しを検討しているのは、利用者・家族と専門職の大きな反対によって何度も「先送り」となってきた▽サービス利用料の自己負担が2割となる対象者の拡大▽要介護1・2の訪問介護と通所介護の総合事業(市町村の地域支援事業)への移行▽ケアプラン(介護サービス計画)の有料化の3点です。国はいずれも「25年末ごろまでに結論を出す」としています。

 ケアプラン作成を含めたケアマネジメントについては、国は介護保険サービスを利用するための「入り口」として、介護保険制度スタート時から利用者負担を無料としてきました。それをなぜ、国は「有料化」しようとしているのでしょうか。

国の支出の節減求め財務省が主張

 ケアプランというのは、文字通り「介護 の計画書」。要介護認定を受けて要介護度が決まっても、この計画書を保険者(市町村)に提出しないと、介護保険サービスを利用することはできません。

前回の記事でも取り上げたように、ケアプランは通常、ケアマネジャーが利用者の意向を中心に家族の意見も聞きながら、心身の状態や生活環境、介護の課題やニーズに合わせて作成します。

 ケアプランに基づいて事業者と契約し、サービスの提供が始まったらケアマネジャーの仕事は終わり、というわけではありません。利用者の状態を観察し、介護サービスを受けてどう変化したか評価し、本人や家族の声も聞きながら、必要に応じてケアプランを見直すなどして見守りを続けます。長い場合は10年以上、同じケアマネジャーとの二人三脚が続くことも珍しくはありません。

 現在、国からケアマネジャーに支払われているケアプラン作成の報酬は、東京都の場合、要介護1と2が約1万2000円、要介護3~5が約1万6000円です。「有料化」されると、ほかの介護保険サービスと同じように、利用者はその1割から3割を負担することなどが考えられています。

 要介護高齢者の増加を理由に、財務省が「ケアプランの有料化」を提言し始めたのは、18年4月の財政制度等審議会からでした。同省は19年の介護保険制度改定に引き続き、22年、24年、さらに27年改定に向けた議論でも導入を求め続けています。

 財務省が主張しているのは、高齢者の増加による介護給付費の抑制です。それに加えて、有料化すればケアマネジャー間で競争が起きるので、ケアプランの質が上がることを見込んでいるとされています。「(制度開始から)20年たったから、無料お試しはもういいじゃないか」というような発言もありました。

 23年度の「介護給付費等実態調査」によると、ケアプラン作成料に当たる居宅介護支援費の総額は、前年度比1.6%増の5356億8300万円(※1)。自己負担割合が2割、3割の人の分を入れても、全体の給付費抑制効果は550億円程度でしょう。有料化すれば確かに費用の削減にはなりますが、介護保険で使…

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ノンフィクションライター

なかざわ・まゆみ 1949年長野県生まれ。雑誌編集者を経てライターに。人物インタビュー、ルポルタージュを書くかたわら、アジア、アフリカ、アメリカに取材。「ユリ―日系二世 NYハーレムに生きる」(文芸春秋)などを出版。その後、自らの介護体験を契機に医療・介護・福祉・高齢者問題にテーマを移す。全国で講演活動を続けるほか、東京都世田谷区でシンポジウムや講座を開催。住民を含めた多職種連携のケアコミュニティ「せたカフェ」主宰。近著に『おひとりさまでも最期まで在宅』『人生100年時代の医療・介護サバイバル』(いずれも築地書館)、共著『認知症に備える』(自由国民社)など。