社会保障は誰のため 「福祉愛国主義」

永吉希久子・東京大学社会科学研究所教授
山崎一輝撮影
山崎一輝撮影

 社会保障はだれのためにあるのか。「移民と日本社会」(中公新書)の著書がある東京大学社会科学研究所教授の永吉希久子さんに聞きました。【聞き手・須藤孝】

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 ――社会保障を利用する範囲を巡って排外主義的な考え方が広がることがあります。

 ◆一般的に、福祉国家において、社会保障の給付が削られる時に、移民などを対象から外すことを主張する福祉愛国主義的な感情が高まることがあるとされています。

 社会保障を維持するための税負担が重く感じられるようになり、サービスを削減しないと制度維持が難しくなる流れのなかで、誰が本当に社会保障を利用すべき人なのかという主張を打ち出す政党が現れやすくなります。

 その際には主に三つの基準が問題にされます。一つ目は、…

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東京大学社会科学研究所教授

 東北大学准教授などを経て、2025年から現職。著書に「移民と日本社会―データで読み解く実態と将来像」(中公新書、2020年)。編著に「日本の移民統合――全国調査から見る現況と障壁」(明石書店、2021年)など。