あすの自民党を憂う 齋藤健・元経産相が直言
自民党は、先の衆院選で定数465の3分の2以上となる316議席を獲得した。この自民党の強さとは何か。この政党はどこへ向かっていくのだろうか。齋藤健元経済産業相に“強さのヒミツ”や“高市チルドレン”の今後などについて聞いた。(ジャーナリスト・山田厚俊/サンデー毎日5月10・17日号掲載)
・「次の衆院選で高市チルドレンは半分以下か」
・「派閥なきあと新人教育は党が担う」
4月12日、東京都内のホテルで開かれた自民党大会。当日、会場で配布されたのは、「立党70年 自民党の歩みと未来への使命」と題された20ページの冊子だった。1955年、自由党と民主党が合流し、自民党が誕生して昨年11月で70年を迎え、今回はその節目の大会となり、2055年に結党100年となる自民党の将来像を描いたものである。
作成の陣頭指揮を執ったのは、立党70周年プロジェクト「自由と民主主義を次世代につなぐ自民党新ビジョン策定本部」(本部長・鈴木俊一)で座長を務めた齋藤健元経済産業相だった。
冊子の「まえがき」には〈日本社会の秩序を保ち、自由な意思表明ができる現代の政治・社会を未来へとつなぐために、わが党が歩むべき道筋を、新ビジョンによって示す〉とある。
示された中身は〈経済成長と社会保障の安心の両立を図ることが、「福祉国家の完成」を目指し(中略)70年つないできた大事な「未来への松明(たいまつ)」である〉と振り返り、〈「経済的豊かさ」だけでなく、一定の負担を国民で分かち合うことで、制度の持続可能性が保障された不安なき「真の豊かさ」を実現していく〉と記している。言い換えれば、極端な保守主義や聞こえのいい大衆迎合政治と一線を画すとの宣言でもある。
明治以降の近代政治史を振り返り、自民党の成り立ちに思いを馳(は)せ、これからの日本のあるべき姿を語る文章は、いわゆる“齋藤節”と呼べるものだ。改めて、この文章作成について振り返ってもらった。
齋藤健 30人を超える議員が策定本部のメンバーで、皆の意見を入れながら進めました。でも、最終的には自分の入れたい箇所はしっかり入れてもらったので、“私の色”が出ていたかもしれませんね(笑)。
この作業における我々の問題意識は、突き詰めれば、ただ一点です。この70年間、他の政党が現れては消えていったのに、なぜ、わが党はほぼ政権を維持し続け、今日(こんにち)に至ることができたのか。そして今後、我々が大事にしていかなくてはならないものは何なのか。
私が強く感じるのは、極めて逆説的になりますが、「自民党は嫌いだが、この候補者は信用できる。この候補者に投票しよう」という有権者に支えられて当選し、バッジを付けてきた議員が数多く…
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