事例

伊藤忠商事
極限まで磨いた個人株主へのメッセージ 岡藤会長が出した2つの提案

新聞
【掲載日】2026年1月5日 【媒体】日本経済新聞 朝刊 【段数】全15段
極限まで磨いた個人株主へのメッセージ 岡藤会長が出した2つの提案

【お話をお伺いした方】
井上 健司様(執行役員、業務部長)
坂本 健司様(准執行役員、広報部長代行)

――インパクトのある広告でした。認知率は1月に日本経済新聞に掲載された広告のなかで断トツのスコアでした。年代別では30歳~40歳代で特に高い数字が出ています。

多くの人から「意表を突かれた」という声が寄せられました。他社の年始広告と一線を画すデザインが注目されたのだと思います。

この広告は少額投資非課税制度(NISA)の購入層への訴求を狙ったものです。30歳~40歳代はその最もコアなターゲット層といえます。うれしい結果ですね。

――改めて広告掲載に至った経緯や狙いを教えてください。

2026年1月1日付で1株を5株に分割したのを受けて、機関投資家だけでなくより多くの個人株主に伊藤忠を応援してもらう機会をつくるのが狙いでした。株式分割の事実を既存の株主様以外にも知ってもらい、購入のきっかけを作ってほしかったのです。

広告掲載を巡っては、まず岡藤正広会長CEOと業務部(経営企画に相当)で構想を詰め、その後広報部が関与するかたちで話が進みました。広告出稿としては珍しいパターンといえます。

株式分割を発表したのが25年11月。そこから1カ月という短期間で内容やデザインを詰めました。

他の媒体では掲載がどうしても数カ月かかってしまいます。即効性、読者層という観点で新聞広告が唯一の選択肢でした。

――紙面掲載のタイミングは1月5日でした。この時期を選んだ理由はなんですか。

元旦付紙面だと他社の広告に埋没する懸念があったためです。仕事始めで、大発会の日でもあるこの日を選びました。

インタビューに答える坂本さん、井上さん(写真左から)

――伊藤忠の株価がこの15年でいかに上がったかを金(ゴールド)価格と比較して説明しています。ユニークですね。

比較対象に金の価格がいいと提案したのは実は岡藤会長CEOなのです。「一般の株主からみると金との比較のほうが分かりやすいのではないか」と。調べてみると過去15年間で金の価格が7倍になったのに対し、伊藤忠の株価は14倍に成長していることが分かりました。当初はTOPIXやS&P500との比較案もありましたが、分かりやすさで金を選びました。

――この金価格の上昇はドルベースですか、円ベースですか。

円ベースです。ドルベースの国際価格だと15年間での上昇幅は3倍です。当社の株がお得であるというメッセージを伝えるにはこちらを使った方がよかったのですが、これも岡藤会長の発案で円ベースにすると決めました。

――岡藤会長はどんなことをおっしゃっていたのですか。

「日本の個人投資家がみるのは店頭価格だろう。ドルで金は買わないだろう」と。一般投資家の視点にたち、分かりやすさを追求した結果です。私たちもなるほどと思いました。当社の株価を金価格と比べたこと、そして円建て店頭価格で比べたこと――。岡藤会長からの2つの提案が今回の広告の反響につながったと感じています。

――シンプルなデザインにもこだわりを感じます。

「株式を5分割したことを簡潔に、見た人の印象に残りやすいかたちで伝えたい」という思いのもと、文字数を可能な限り少なくしてビジュアルで伝えようと考えていました。

文字のサイズにもこだわりました。文中の特定キーワードを強調するために文字を大きくする案も考えましたが、見た目が乱雑になるという理由で文字サイズは統一しました。代理店を通じて交わしたやりとりは20回を超えます。短い期間で対応いただき感謝しております。

※取材にお答えいただいた方の所属・肩書などは取材当時のものです。

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