33年以上の記者生活で毎日多くのプレスリリースに接してきた。その3割ほどが、残念ながら意味が伝わりにくいものである。プレスリリースの目的であるメディアの取材につながる「読まれるプレスリリース」について解説する。
1.読まれるプレスリリースのポイントは4点
簡潔で内容が一目で分かる見出し、こなれた本文
- 5W1H(いつ、どこで、だれが、何を、どうして、どのように)の要素は、必ずいれる。
正確で、かつ内容が理解しやすくまとまっている
- 正確さにこだわるあまり「など」の多用や回りくどい表現は避ける。
1枚目を読めば分かる内容に
- 「新しいサービスができました」といった書き出しで、新サービスのみの内容では、何がどう変わっているのか分かりにくい。前後の流れを多少補い、1枚目を読むだけで内容が分かる構成に。
文章量が適当で、文字だけでなく図版が適度に入っているもの
- ぱっと見た時のバランスも重要。肝心なことは冒頭に。
- 見出しはゴシック、本文は明朝が基本。
2.ダメなプレスリリース
見出しが長い
- A4で見出しが4行以上は長すぎる。
- 漢字が7文字以上つづくと直感的に伝わりにくい。
本文
- 行間が詰まり、文字が多すぎるものは読みづらい。
- 書体や文字サイズにメリハリがない。
- 主語がない。「関係者」ではだれなのか分からない。
- 「日本発」「業界初」などの場合はエビデンスがないと取り上げにくい。
- 読み手にとって、どんなメリットがあるのか書かれていない。
【メールの場合】
- 長い社名で始まり、タイトルに内容がないものは読まれない。
例:「〇〇〇〇〇〇ホールディングス 本日の情報をお送りします」 - 内容が薄いわりに頻繁に送られてくると読まれなくなる。
3.書き方のテクニック
- 重文構造で難解なものにしない。短文、複文までなら分かりやすくなる。
- 語順によって印象が変わるため、大事な内容は、前に出す。
- 見出しは極めて重要。ウェブ記事や書籍では見出しを変えるだけで、売り上げやアクセス数の違いが出る。
- 日経電子版の見出しは最大26字。強いワードを前に、間にアキをいれて短文2文にしている。漢字の連続は避けている。
- リリースも検索で見られやすいように、重要なワードはタイトルの始めに入れる。
- カタカナの多用は避ける。
例:オススメ、カラダが痛い、キレイになる - 平易な漢字をひらがなにしない。熟語は理由がない限り極力開かない。
例:つくる、ひと、とき、妊しん、障がい者、平たん、強じん化
日本経済新聞社 日経マネー 編集委員
大口克人
1991年 日経ホーム出版社(現・日経BP)に入社。日経マネー編集部に配属され、以降とびとびに20年以上在籍。日経マネー編集長や日本経済新聞マネー報道部長、日経マネー発行人などを歴任。30年以上にわたり個人の資産形成を研究。

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